短編 | ナノ


寒い。すごく寒い。寒いなー。
そうだ、晴矢んとこ行こう。


「ということで、来た!」
「来た!じゃねえよ。大体なんで今の流れで俺の部屋に来ることになるんだよ」
「いーじゃん別にい。付き合ってるんだからさあ」
「なっ!?おまっ、そういうこと軽々しく言うな!」


怒ったり真っ赤になったり、忙しないなー。
何を隠そう、私の彼氏・南雲晴矢は今時珍しい超純情男なのだ。このくらい朝飯前である。


「ま、かわいいからいいけどね」
「誰が『かわいい』だアホ」


ペシン、と頭をはたかれた。いいもんね。別に痛くなかったもんね!顔では怒ってても真っ赤だから全然怖くないしー。


「か、かわいいのはお前の方だろっ!」


ぎゅうっと、抱きしめられた。


誰に?晴矢に。




………え?

状況を理解するや否や、顔に熱が集まってくるのが分かった。






「は、晴矢がデレた……!」
「お前…俺が結構頑張ったのにそれかよ…」
「へー、頑張ったんだ」
「………………るせえ」


あ、すねた。
まあ、そういうとこも好きだけどね。




131009

去年のを発掘しました。季節感とか気にしたら負け。






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