世界一ネチ恋!〜羽鳥芳雪の場合〜
※ぴんぽんぱんぽーん。 こちらは某素敵サイト様のチャット会で派生致しましたあくまでギャグ線重視のトリチアユウです。 しかも重点は羽鳥と柳瀬の大変大人気ない大先生様の仁義無き取り合い(大先生様は全く気づかず、又千秋の前ではカッコイイ率互いに200%超え)ですので甘い要素、昼ドラ要素は全くもってございません。 スタンスはあくまで(重要なので2回言いました)ハンケチをきいぃ!と小指を立てながら噛むような羽鳥を目指しておりますので、カッコイイクールで頼りがいのある素敵副編集長をお望みのお嬢様方には大変おすすめできない仕様になっております。 因みに月末は小説はまだ読んでおりません(※9月16日現在) アニメでの羽鳥をキャラギリギリにブッ壊して千秋に本気な性悪柳瀬と本気で戦います。 全ては千秋への愛ゆえに← OKOK理解した、ドンと来いハンケチ王子!やとりあえず御託は良いから早くしろ待ってたんだよ!なお嬢様は以下に進んでくださいませ。 いや、どう考えても羽鳥でギャグはあり得んと思われた方は全力でバックプリーズ。 ちょキャラブッ壊れすぎ!と思われた方はご指摘を。オーライオーライもっとやれな方もご報告を(笑) 一応三部作を予定。停止令が来たら即打ちきり(笑) それではお楽しみ頂けたら幸いです。 ※ピンポンパンポーン
ラウンド@
気分上場、にも関わらず晴天の霹靂。 周りからは冷静沈着、クールなどと揶揄されている俺だけれど、ある奴がアイツと関わるときだけ、台風の目となり、大荒れ波浪警報が発令されたり、局地的雷注意報が突然点滅する。 全ては、
「ちっ、お前もかよ羽鳥」
エレベーターの扉が開いた瞬間、早速対峙した、このふてぶてしい腐れ幼なじみ(不名誉)の柳瀬のせいである。 整った眉を器用にひょいと上げて、とても同じ年だとは思えない幼い顔立ちに何で来てんだ暇なのかよ副編集長様々はとあからさまにバカにした文字が見えるくらいの態度で鼻を鳴らされながらエレベーターのボタンを乱暴に押される。 それはこっちの台詞だと口を開きながらエレベーターに足を踏み入れようとすると扉に挟まれかけた。
「ちっ、無駄な反射神経してんじゃねぇよ。挟まれ、デスクワーク人種め」 「ふざけんな!誰がアイツの原稿上げると思ってんだ!てゆか公共の場を利用するな!」 「あーあーあー、ウザいよーそういうの。愛情過多っての?甘すぎて死ぬんじゃないかな千秋。てゆかお前が消えても俺がちゃんと入稿するから安心して良いと思う」 「史上最大の王子級スマイルをお前にされても俺は全く、本気で嬉しくない。吐き気をもよおす」 「なに?ノロウイルス?あーだめだなそりゃ、アシスタントとしてあの神聖なる領域に踏み込みさせるわけにはいかねぇわ、先生には言っといてやっからけぇれ、病原菌。」
…むかつく! 本日一発目の稲妻来光。 売り言葉に買い言葉と言えば聞こえが良いが、虫を追い払うかのようにシッシと手を払う動作をしているコイツに関してはそれだけでは済まされない。いや、済ませてはいけない。 ピシャーンと背後で光った気がしたそれと同時にカーンというゴング音が鳴り響いた気がして、なんとしても入ってやろうとじりじりと進もうとすると、察した悪魔は閉めるボタンを連打する。 …大人気な!
「お前ふざけんな柳瀬!」 「お前こそふざけんな!なんで密室でお前と二人きりなんだよありえねぇ!俺が汚れる!」 「お前の何が汚れるんだなにが!真っ黒すぎて汚れる要素が1ミクロンたりともあるわけ無いだろ!それと俺こそお前と二人きりなんて絶対ありえん!」 「なら階段で行け!サラリーマン!」 「その方が明らかに画期的だが、お前が俺より先に千秋に出迎えて貰えるなんて思うと発狂しかねないから仕方なく一緒に乗るんだ早く開けろ」 「本気で気持ち悪いなお前、キャラ捨てんなよ、冷静沈着クールビューティ!会社に戻って理性って写植を貼ってから来い!」 「あぁいいとも、ついでにお前用に邪魔者ブタ野郎ってのも作ってきてやる、その前に…!」
ガッと閉まる扉を掴んで引き戻し、僅かな隙間に肩を入れる。 ビービーと鳴り響くいい加減閉めるぞこのやろーなんていうエレベーターの悲鳴を完全に無視して、にゅっと腕を伸ばしすぎて震える指先を柳瀬の手首に伸ばそうとした。 捕らえた!とほくそ笑んだその瞬間、悪魔は何かに気がついたのか、あっ、と声を上げるとピンポンダッシュ顔負けの速度で押し続けていたボタンを押す速度を僅かに緩めた。
「なんだ柳瀬、手は大切にした方が良いぞ…!商売道具だろうが、早くあけ…!」 「ちあき…?」 「はぁ?居るわけ無いだろ、お前俺を騙して閉める気満々だったろ!ハッ、残念だったな。俺はそんな手に引っ掛かるほど間抜けじゃない!」 「あっそ、じゃあ勝手にエレベーターで上がれよ、間抜け野郎」 「…は…?」
その言葉と同時にふっと両側からの抵抗が無くなると、たたらを踏むようにエレベーターの密室に雪崩込んだ。 嫌な予感がして直ぐ様振り返ると、そこには魔王の微笑を讃えた柳瀬と、その奥には居る筈もない俺の想い、び、と…が…?
「残念でした、腐れ縁殿。俺は天使に関する嘘八百だけは誰に対してであろうと言わない主義だから」
勝ち誇った顔がこれ程憎たらしいと思うのは俺の母親を含めてこれが二人目。 腱鞘炎覚悟の速度で指を動かしていたそれなど微塵も見出ださないまま、やけに爽やかな笑顔で笑われる。 けれど。
「今日も勝たせて貰うぜ。お、れ、の!マイエンジェルに鍵開けてもらって、一緒に帰ってるから早く帰って来いよ、コ・イ・ビ・トさん?」 「んのっ…!?」
言っていることは全く爽やかじゃない。 一昨日来やがれとばかりに、ひらり片手を振ると、コンビニ袋を手にふらふらと歩いている千秋の元へ上機嫌に、一目散に踵を返していく。 本気で腹が立ったので、多分世界陸上の選手でも真っ青の瞬発力を持って直ぐ様出ようとするも、てめぇ早く上がるっていってんだろとカンカンに起こっていたエレベーターの扉の閉まる速度に叶う筈もなく、無情にも目と鼻の先でピシャリと扉が閉まってしまう。 慌ててエレベーターの階を押して、取りあえずあいつらよりも早く家に着いていようと、ボタンを押そうとして、ハタリと止まる。 流石のクソ悪魔。あの外面だけ兎みたいな可愛い顔をしていて俺と同じ年と言えば十中八九信じて貰えない童顔野郎は、どうやらその頭脳までをも中学で止まっていたらしい。
「全部押していきやがって…!」
プルプルと震える拳の先では綺麗に全部の階がオレンジに光っている有り様で、一度押したら取り消しが出来ないタイプのそれは明らかに分かっていてやっている。 意図的にやった以外の何ものでもない。 颯爽と踵を返していった背中に、悪魔の尻尾がひょんひょんと振られていたのを思い出して、ざまぁみろと言う声と共に嘲笑われている気がするその気分だけで、ぴしりとこめかみ辺りで音がする。 ふつふつと込み上げるこれは本当に、後にも先にもあいつにしか抱かない感情だと思うとあからさまに腹が立って腹が立って仕方無い。 千秋が悪魔と暢気に笑っている姿を思い浮かべるともう抑えが利かなかった。
「次はないと思えよ…クソ柳瀬…!」
ポーンと言う音と共に開いたドアから飛び出して、仲良くほけほけと笑っているであろう千秋を奪還するべく、階段へと走り出した。
俺の受難はまだまだ終わらない。
(バタン!) (「ぜぇーはぁ、」) (「うわっ!?なんだよトリ!玄関壊れんだろ!」) (「おう、羽鳥。オツカレー。」ニヤリ) (ムカッ「吉野、おまっ、ぜぇ、」) (「な、なんだよトリ大丈夫か?まだネーム上げたばっかりだから余裕はある筈だよな?な、なんかやった俺?」) (「さぁ?運動不足なんじゃね?それより千秋。」) (シャラリ) (「っ!?」) (「えぇぇぇ!これザ☆漢のガチャガチャのプレミアムマスコット!?絶対出ないって有名な!?しかも1回500円もするあの!?」) (「出先でたまたま見つけてさ、出たからやるよ。それ欲しかったんだろ?」) (「えぇぇぇ!?良いの!?マジで!うわ俺、優の事大好きだ!」がばちょ!) (「んな!?」ガーン) (ふふん、ちょろいぜ。) (はっらたっつー!ギリギリギリ)←プレミアムマスコットが羽鳥の手の中で潰れる音。
今回の戦い、 柳瀬優の圧勝。
カンカンカーン!
次に続く…かも(笑)
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