水城はいつもイイ匂いがする。

でも香水とかそういう物は、一切つけて無い。

それなのに甘い匂いがする。

一度、隠れてつけてるんじゃないかって水城の部屋の中を隈なく探したけど、そう言う物は本当に一切なかった。

じゃあ、シャンプーとかなのかなって思ったけど、僕も同じ物使ってるから違うってわかる。

本当に何なんだろうって、ずっと考えてた。

その答えを知ったのは、とある放課後の事だった。

最後の授業が体育でマラソンだった水城は汗だくで僕の所に来た。

いつも“ふわり”と香ってた匂いが“ぶわり”と強烈に香ってくる。

この匂い嗅いでると、なんかすごくトロンとしてくる。

すごくふわふわになるくせして、体の奥底はぐつぐつ煮えたぎるように熱くなる。

僕、発情しちゃってる…。

そう考えついた瞬間、水城の顔がドアップに映る。

唇が重なったと思ったら噛みつかれて、咥内を蹂躙される。

息もつかせてくれない、激しいキス。

やっと解放されると、怒ったような熱に浮かされてるような顔の水城がいた。

「こんな誰かに見られるような所で、そんなヤらしい顔、してんじゃねぇよ」

足早に部屋に連れていかれると、ベッドに押し倒された。

覆い被さる水城が、こんなエロい顔は俺だけに見せろって怒りながら僕の服を剥いでいく。

性急だけどトロトロに溶かされた穴に灼熱を突き挿れられる。

何度も何度も奥まで突かれて、何度も中に欲を注がれた。

お互い、ドロドロだ。

何度目か分からない欲を中で受けとめると、水城が僕を労わるように抱き締めてくれた。

水城に抱かれるのは、すごく心地いい。

うっとりと身体を任せきっていると、内にある熱が膨らんでいく。

すると僕の燻ってる熱を再熱させるように、水城が僕の首筋から胸を舐めたり吸いついてくる。

ゆっくりと動き出した熱に、かすれ始めた声が漏れる。

僕の首に吸いついて痕を残した水城は、本格的に動き出す為に上半身を起こして僕の腰を掴んだ。

容赦のない攻めに翻弄されるまま身体を委ねて、欲を放って欲を求めた。

青臭い精液の匂いに負けないほど香ってくる甘い匂いが水城が動けば動くほど強烈に香ってくる。

その匂いに僕は煽られっぱなし。

匂いだけでこんなに甘いんだから、水城の肌を流れてるあの汗だって水飴みたいに甘いに違いない、ってイカレタ発想をするぐらい煽られてた。

すごく美味しそう、すっごく舐めたい。

欲望はするりと口から出ていた。

「ねぇ、僕にも舐めさせて?」

腕を伸ばして水城の首に縋りつく。

甘い匂いに誘われるまま肌に舌を這わせた。

予想道理の甘さに、夢中になった。

僕の行動に煽られた水城に、夜中まで愛されたのは幸せな思い出。

それに水城の肌に僕の痕を残すのってすごく嬉しい。

まだいっぱいつけたいって考えてる僕って、独占欲が強いのかな?


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