どれぐらいそうしてたか分からないけど、気持ちよ過ぎて俺がうとうとし始めてた時、部屋のチャイムが鳴った。

ぼ〜と瑛真を見上げた俺の顔を見た瑛真はただ笑っていて、おでこにチュウしてくれた。

俺は眠たいのだと告げるために首筋に頭を押し付け、丁度いい位置に頭がおさまる所を見つけそのまま眠りにつこうとした。

けど……

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーンと三連続。

思わず眉間にしわが寄った。

瑛真は舌打ち。

瑛真の顔を窺うが、やっぱり俺には笑顔で、また肩に頭をのせる。

今度は直接ドアを叩いてる。

ドンドン、ドンドンと、うるさい。

その余りのうるささに瑛真も顔をしかめてる。

耐えかねたのか、俺に一つ触れ合うだけのキスをして瑛真は立ち上がった。

「収めてくるからちょっと待ってて」

繋いでた手が離れるの、少し、さみしい。

瑛真に言われた通り、待ってみるが、瑛真が向かった玄関からは騒がしさが伝わってきていた。

これじゃ、眠れない。

むしろ、目が覚めてきた。


・・・


可愛い恋人である恵との甘い一時を過ごしている最中に、無粋にもチャイムが鳴った。

眠たくなっているのか目がとろけている恵が窺うように俺を見上げてくる。

可愛い仕草に心が和み、恵のおでこにリップ音たっぷりのキスをする。
すると甘えるように首筋に頭を押し付けてくる恵に、これは本格的に眠いのだと分かった。

だからそのまま恵のしたいようにさせ、落ち付いたのか肩に頭をのせて眠りにつかせた。

可愛い恵の安心しきったその姿に、頬を緩ませていると、今度はチャイムを三連続鳴らされた。

すぐさま反応する恵の体。

恵の眠りを妨げた行為に、思わず舌打ちしていた。

肩にあった重さが無くなり、恵が見上げてくる。

恵が思う存分甘えてきている今を邪魔されるのは大変腹立たしいが、恵の柔らかくとけたような瞳を見れば瞬間、笑っていられる。

俺が何もする気が無いと分かると、恵は再び肩に頭をのせ眠りにつこうと体の力を抜く。

今度は直接的にドアを叩いてきた。

まったくもって不愉快極まりない。

一向に止む気配の無い嫌がらせに、目尻がつり上がっていくのが分かる。

まったく今時小学生以下の子供でさえしないような嫌がらせとしか思えない行為をする輩がこの学園に居たとは……。

躾けが足りなかったのですかね?

恵も眠りたいのを邪魔されて、先ほどまでの可愛らしい寝ぼけた顔では無く、不愉快気に顔をしかめている。

誰ですかね、俺の可愛い恵の眠りを妨げる小蠅は……

さっさと叩き潰してくるか。

本当は離れたくないのだけど、調子に乗られても困るので、恵の柔らかい唇にキスを一つして、身体を放して立ち上がる。

「収めてくるからちょっと待ってて」

そう告げ、絡めていた指を解き、手を離す。

その時の恵の顔は、さみしいと物語っていて、邪魔者に殺意が湧いた。


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