あれから風呂にいれられ、瑛真がイタズラするからのぼせあがった俺は瑛真にお姫様抱っこで再びベッドに寝かされた。

時刻は夕飯にイイぐらいの頃で、瑛真が夕飯を作ってくれている最中だ。

瑛真の料理は、とにかく美味い!
出汁巻き卵なんて天下一品だぜ!

今日は俺の大好きな鰤大根を作ってくれるって!

早く食いて〜!!

ゴロゴロと瑛真の匂いがするベッドの上を転がる俺はまさに幸せ満喫中だ。
腰が痛いのもへっちゃら!

「瑛真、まだかな? お腹鳴りそう……」

瑛真がいつもつけてる香水の匂いがほんのりするふわふわの枕に顔を埋めて、瑛真が呼びに来るまで待つ。
大好きな匂いのおかげで眠くなってきた頃にリビングに続くドアが開けられた。

「恵、ご飯できたよ」

瑛真の声にぱっと顔を上げ、瑛真の方に振り向く。

「ふふ、待たせちゃったかな?」

ベッドに寄ってきて寝そべっている俺の頭を撫でてくれる瑛真の手は本当に優しい。

ご飯を食べよう、と俺をまたお姫様抱っこできる瑛真は何を考えてるんだろう?

俺って180も無いけど、一応それぐらいはある。
体重もそれなりに有るはずなのに、瑛真はいつもこの抱き方をする。

始めのうちはホントに恥ずかしくて、暴れていたりもした。

でもその度に瑛真の笑っているはずの顔が怖くて、コワくて……

未だに顔は赤くなるけど、慣れた。

やっぱり瑛真に抱っこされるのは、ウレシイし。
うん、だって、瑛真が近いし。

恥ずかしがってたら、ダイニングテーブルの席にいつの間にか座らされてるし、目の前にはほかほかと湯気がたつ美味しそうな鰤大根があった。
よだれが口の中に溜まって行くのが分かる。
目の前の席に座った瑛真の顔を待ち兼ねるようにぱっと見る。

クスクスと笑う楽しそうな瑛真は「いいよ」と言ってくれて、手を合わせて頂きますと言ってから箸を掴む。

食べたくて食べたくて仕方が無い鰤大根に箸を入れ、口に運ぶ。

じゅわ〜、と広がる濃厚な鰤の味にほっぺが落ちそうだ。

「ウマいっ!」

「良かった。いっぱい食べてね」

「うん!」

それから猛然と食べた。

ご飯は二回もお代わりしたし、鰤大根ももちろんお代わりした。
きのこがたくさん入ってるみそ汁も、小鉢のシラスときゅうりの梅和えも、本当に美味かった。

瑛真が淹れてくれた食後のお茶も飲みきって、リビングのソファでまったりと瑛真が片付けているところを見ている。

片付けるの手伝おうとしたんだけど、瑛真に無理やり抱っこされてソファの上に降ろされた。

確かにまだ腰が痛くて立ち上がれないけど、手伝いたかったのに……

片付いたのか手をタオルで拭いて、こっちに来た瑛真に手を伸ばす。
手を取って隣に座ってくれた瑛真は、指を絡めあう繋ぎ方に変えて、空いているもう片方の左腕は俺の腰に回ってきた。

引き寄せられるまま体を瑛真に任せ、頭を瑛真の肩にのせる。
腰にあった手は労わる様に腰を撫でてくれて、痛みが和らいでいく。

俺は思う存分、瑛真に甘えて、瑛真は俺を思う存分、甘やかしてくれる。

ホント、幸せ。


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