「瑛真、おいしい？」

俺のためにと最近ずっとチョコ菓子作りを練習していた恵。

その集大成を飲み込む。

「俺が作ったモノより、美味しいよ」

リキュールのきいたガトーショコラ。

甘さを包むようなほろ苦さが絶品。

「ほら、恵も食べてみて」

一口に切り分けたショコラを恵の口に運ぶ。

パクリと一口。

「思った以上に出来てる」

「ふふ、俺には上出来だよ」

フォークを置いて、恵のサラサラの髪を撫でる。

そして後ろ頭に手を添えて、

ありがとうと、嬉しいと、愛してるを込めて

柔らかで、甘い、キスを

「恵…」

「瑛真…」

見つめる瞳は、甘やかで、艶やか…

もう一度、ゆっくりと重ねた。


唇から伝染する

何もかも伝えたい


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