「トール、あ〜んして」

壁に追い詰めて逃げ道を無くして、憮然とした顔のトール。

あ、ちなみにココ、トールの部屋ね〜♪

困ったな〜っても、嫌がってる顔にもとれるのに、あ〜も〜、ど〜してこんなに可愛いのかな〜?

「トール、早くあ〜んして〜」

俺自身がわざわざ足を運んで吟味を重ね選んだ透のためのチョコ。

それを一つ、透の口元に差し出している。

恥ずかしがりやの透の頬は赤く色付いて、俺の指につたう溶けたチョコより、美味そう。

やめろって訴えてるその睨み。

上目遣いだから、誘ってるようにしか見えないのに。

はぁ〜、も〜無理。

持ってたチョコを口に含んで、透の唇に押し付ける。

目を見開いて凝視する透の喉から顎をなだめるように撫でる。

徐々に力は抜けて、頑なだった唇が開いてく。

口の中で溶けたチョコを舌と一緒に入れ込んだ。

くちゅくちゅと舌を絡めてチョコを飲み込ませる。

「美味し〜ぃでしょ〜このチョコ〜♪」

唇から流れ落ちてるチョコをチョコのついた指で拭いてあげる。

「まだあるから〜、食べさせてあげるね〜♪」

また一つチョコを含んで透に差し出す。

あ〜も〜、チョコなんかより甘いトールの唇、堪能した〜い。

そのうっとりした顔、たまんない。

必死に俺の服なんか掴むなよ。

すがるなら俺にすがり付けば良いのに。

そしたら、トールを余すことなく食べてあげるのに。







これで実は付き合って無い、とゆー罠ヾ(・ε・。)


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