中等部のある日。

俺の何かが揺れた。

その頃、俺は生徒会には属していなかったが相談役のようなものになっていた。

そのせいで恵との安らぎ溢れる日常から離れていた。

恵が足りないと飢えを感じ始めていた時、女のように飾り立てた小型犬どもに囲まれているところを恵に見られた。

去り行く恵の顔には傷ついたような痛がっているような表情で、思わずなりふり構わず後を追いかけた。

見つけた恵は恐ろしいほど甘美で、堪らず愛してしまった。

そのおかげなのかはわからないが、恵が甘えてくるようになった。

今まで甘えたいのに上手に甘えられない、借りてきた猫状態だった恵が徐々に形を潜めていったのだ。

俺はもちろん、そんな恵が愛おしくて、愛しまくった。

恵とのでっろでろでどっろどろな甘い生活を送っていた。

そんなある日、家の都合で少々学園を離れなくてはならなくなった。

告げた時、悲しそうだけども仕方ないと諦めの表情でがんばってと言ってくれた恵が可愛すぎて愛し合った。

家の都合もさっさと終わらせようと奮闘したにも関わらずお節介婆やら刺激に餓えてるケバイ婆どもに囲まれてしまい一日また一日と恵の元へと帰るのが遅れてしまった。

頭の中が恵の事ばかり締められているなか、急いで恵の元へ帰ると可愛らしく拗ねてしまった愛しい恵が待ってくれていた。

『俺を待たせた罰に、俺をうんとう〜んと甘やかせ!』

とぷりぷり尻尾を振りながら怒り命令してくる恵を、俺は上機嫌で甘やかし可愛がり愛した。

元々たいへん可愛らしい恵がより一層可愛くなることに味を占めた俺は度々このようなことを繰り返していった。

繰り返す度に野良猫のようだった恵が飼い猫のように甘えてくる。

俺は浮かれきっていた。


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