俺の彼氏は、黒猫にゃんこ。
さらさらのふわふわで艶めかしい毛色艶の黒猫。
撫でられるのか好きなのに、男の子だからと人前では撫でさせてくれない。
だけど、二人きりになれば甘えん坊な黒猫。
のどを鳴らして、そのしなやかな肢体を俺の体に預けきって、甘い鳴き声で俺を呼ぶ、愛おしい恋人。
ドロドロに、それこそ溺れてしまうほど甘やかしたい黒猫。
愛おしくて、愛おしくて堪らない黒猫。
それなのに、どうして、こんなにもイジワルがしたいんだろう?
ちょっと構わないと、拗ねて、抱きしめて好きだよ、愛してるよと囁くと甘えて擦り寄ってくれる恋人。
仕事が忙しいからと伝えれば、うつむいて耐えるようにわかったと頷く恋人。
忙しく動き回ってる俺を見て、物悲しそうに俺を見る恋人。
あまりにも触れ合う時間が無くなっていたせいで、凄くヘソ曲げて拗ねきった時も有ったけど、やっと抱きしめられた柔らかな肢体をぎゅうぎゅうに抱きしめてただいまと告げると喜色満面の笑みを浮かべて迎え入れてくれる恋人。
ああ、拗ねて構って欲しいと訴えてる不満そうな物欲しい顔も捨てがたいが、やはり俺の腕の中でうっとりしているこの黒猫が堪らなく愛おしい。
俺の膝の上に乗せた黒猫は、腕を背に回ししなだれかかってそのしなやかで柔らかい肢体を俺に預けきっている。
上機嫌にのどをゴロゴロと鳴らし、俺の肩や首に頬を擦り寄せてくる。
無意識なのか出てしまっているふわふわな耳と尻尾は悪戯に俺の肌を擽り、欲を煽ってくる。
そして俺はその欲を躊躇なく受け入れる。
何故ならばこの欲を煽っているのが黒猫だから。
この黒猫は、俺の最愛の人なのだから……
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