委員長が纏めた書類を俺がホチキスで留める。
留めた書類を担任の殴り書きされているメモ通りの部数に纏めて置いておく。

単純作業だけどさ、多すぎだろ数が!

でもこれって全校生徒分なんだろ?

何でこんなやつ、委員長一人でやらせてんだよ担任!

でもま、おかげで委員長と仲良くなれたから、いっか。

とりあえず委員長が好きだと自覚した俺は委員長を調べることにした訳で、恋人がいるとか好きな人いるとか訊いたわけですよ。

どっちもいないって言われた時の俺の喜びと言ったら、思わず顔に出そうになったよ。危ない、危ない。

それで俺とかにしたら自然な流れで自慰の話にしたんだよ。

どれぐらいの周期で抜くのかとか、その時のおかずネタとか、俺から当たり障りのない程度に話したんだけど、委員長の答えって予想外だった。

「した方がいいんだってことは保健の授業で習って知ってるんだけど、やり方解らないし、触っても痛いだけだからやったこと無いんだ」

困惑した顔で、ちょっと恥ずかしそうに話す委員長のその言葉に俺は驚く意外できない。

「…へ? 委員長さっき兄が居るって…」

「居るけど、兄さん中学から祖父が経営してる全寮制の学園に通ってるから、そういう話はし辛くて…」

「じゃ、さ、友達とかからさ、そういう話、しないの?」

「篠北としたのが初めてかな…?」

「委員長、よく平気だね、体」

困った顔で笑う委員長。

「やっぱり? でもどうしたらいいのか解らなくて」

これは親密な関係にできるチャンスなのか。

ゴクンと唾を飲んで、息を整える。

「あー、委員長、これから俺ん家、誰もいないからさ、来ない?」

「篠北?」

「抜き方とか、俺流なんだけど、教えるから…」

「えっ? でも、その、……」

「明日は休みだし、丁度いいかなって思ったんだけど、やっぱ突然は困るよな?」

「いや、それは構わないんだけど、その、……いいのか?」

「うん。じゃ、これ早く終わらせよ」

ちらちらって俺を見る委員長に残り少なくなった紙を手早く纏めてもらい、ホチキスでガッチャンガッチャン留めていく。
部数ごとに置いていた山の上に部数を書いた付箋を貼って、委員長と手分けして職員室に運んだ。

つーかよ、頼んだ張本人がもう帰ってるってどう言う事だよ!

残ってた先生の一人に確かめてもらって、お疲れと言われてようやく帰ることが出来た。

親に俺ん家に泊まることメールした委員長とコンビニによって弁当と飲み物と菓子を買って帰った。

オドオドとしている委員長と温めた弁当を一緒に食べて、不安そうに俺をちらちら見る委員長カワイイんだけどさ可哀想に見えてきたから、俺の部屋に案内した。

もじもじと所在なさげにしてる委員長をベッドの上に座らせる。

あ〜、俺のベッドに委員長がのってるのって、なんかいい…。


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