涙が止まらなくて、すっと泣いてることをイイことに、平凡君を溜まり場に連れ込んでみた。
まぁ、ここに連れ込むことは抱き上げる前に決めたことだから、暴れられても無理やり連れて来ただろうけど!
いつもの部屋はまだ靖真とヨシがまだ使ってるから避けて、オーディオルームを占拠した!
ココのソファふわふわだから俺は好き。
さて、下ろしてあげないとね。
「ソファに下ろすよ〜」
すると平凡君は俺の服をさらに強く握って、小さくふるふる頭を横に振るんだよね。
何、この可愛さ!
いやいやって仕草したってことは離れたくないってこと!?
今、俺の理性を確かめられてる?
静まれ!
鎮まれ、(主に下半身の)俺!
襲わないで惚れされるって、さっき決めただろ、俺!
よし、大丈夫だ!
きっと大丈夫だ!
再度、同じことを言って、同じことをされて、決心がぐらぐら揺らぎながら何とか耐えて、平凡君を放すことなく俺がソファに座って平凡君を膝に乗せた。
平凡君ってふにふに、柔らか……。
抱き上げてた時から思ってたけど、この子柔らかいな〜。
尻、揉んでみたい…。
いやいやいやいや〜、ダメでしょ〜俺ってば〜。
手当しないと!
ここに来る前に救急箱と湿布貰ってきたから準備万端だから、やらないと。
腹とか背中とか蹴られてたから服を脱いでって頼んだら、何故か嫌がれた。
俺を嫌ってって感じはしないけど、あれかな、肌見られるのが嫌いなタイプ?
嫌々だったけど脱いでもらって、痣とか見てる振りして身体見てた。
だって……男の子なんだも〜ん。仕方ないだろ。
抱き上げたから体重が軽いから華奢なんだろうなとは思ってたけど、なんかふわって感じで柔らかそう。胸なんて特にそんな感じ。
でも思いっきり蹴られてたのか、痣が酷い。
肌が白いせいもあってか、痣の色が強調されて痛々しい。
痣になってるところに湿布を貼って、血が滲んでるところは消毒してから絆創膏を貼って、捻ってた足首を固定した。
治療が終われば、俺の理性のために服を手早く着せてあげて、俺は君のことを心配してますと言う風な顔で、軽く説教を始めた。
名前を聴き出して、助けちゃったから特別だよって、何かあれば連絡してって携帯番号とメアドの交換をした。
そこに弥生の携帯が鳴って、家族が心配してるみたいだった。
早く帰らないとと慌てる弥生はまともに歩くどころか立つことも出来ないのに勢いよく立ちあがって悶絶してた。
ちょっとおバカだな、でもそんなところが可愛い、とか思いつつ抱き上げて家まで送った。
弥生の家に行ったら本当に心配してたお母さんと妹の皐月ちゃんに、あんたが犯人じゃないでしょうねって迫られたのはちょっと怖かった。
女って時々、本当に怖い。
犯人じゃないってことはすぐに弥生に解いてもらって、むしろ助けたことに感謝された。
女手だけじゃ弥生は運べないからってリビングまで弥生を運ぶのを頼まれたから、すぐさま運んだ。
そのうち家族ぐるみで付き合うんだから、仲良くしないとね。
まぁ、弥生を助けたってことでかなり友好的だし。
夕飯もお呼ばれして、弥生をお風呂に運んで、流石に一緒には入らないよ、無理だから、お手伝いは皐月ちゃんがしてるからね、流石に俺の入る余地は無いよ。
弥生が上がるまでお母さんとお話しすることになった。
世間話みたいな話してたのに、この人は鋭い。
「恭祐君は弥生が好きでしょう」
「うん、好き」
下手なウソなんてついたら、その時点でアウトになる。
「弥生が恭祐君のことを好きになるまで待ってくれるの?」
「うん。そのうち攫いに来るから」
「一生大事にしてくれるなら良いわよ」
「それはもちろん。死んでも離れないよ」
「あら〜! お熱いこと!」
これでお母さんを味方につけたも同然!
それから風呂から上がった弥生を部屋のベッドに寝かせて、弥生も寝たことだし夜も更けたから帰ろうとしたらお母さんと皐月ちゃんとも番号とメアドを交換した。
それを見てむふむふ笑っちゃうのは仕方ないよね〜。
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