今日は朝からついてなかった。
いつも見てる朝の占いで最下位だとわかってから今日の不幸が始まったんだ。

朝起きていつも通りに身支度を済ませるまでは、よかった。

だけど、お母さん曰く愛情たっぷりの朝ごはん(いつもと変わらないメニュー)を食べ始める頃から不運は始まった。

朝食を食べながらお決まりの朝の占いを見ていると、キャスターのお姉さんが俺の星座が最下位だと伝えてきた。

『今日のあなたは運勢が最悪です。ちょっとしたことで失敗してしまうでしょう』

そう言われた瞬間、オムレツにつけようと容器の上下をひっくり返したところ、ケチャップが飛び散った。

容器からブッブッと音を立てながらちょろちょろと出てくるケチャップ。

俺のオムレツにはかからず、周りに飛び散った赤い色がご飯やみそ汁、向かいに座っていた妹のヨーグルトにまで入っていた。

「……………」

「……………」

食卓を囲んでいるのは俺と妹だけだが、無言があたりを包むのが怖い。

『今日は周りを良く見て過ごしましょう』

お姉さん、そんな大事なことはもっと早く言って欲しかったよ。

「ご、ごめん」

「ほんとにね」

うわ〜、マジ何やってんの?って顔してる。

「ごめんな、俺のと交換する?」

「いいよ、やーちゃんのやつもはいちゃってるでしょ!」

「えっ!? あー、本当だ……」

「混ざってるわけじゃないし、そこだけ取れは食べれるよ」

俺よりも早く席について食べ始めていた妹は、ヨーグルト以外を食べ終わっていて、ケチャップがかかった部分を他の空いた皿に捨てて、さっさと食べ終わった。

「やーちゃん、早く食べないと遅刻するよ」

『でも大丈夫! 最後には必ずいい事が起きるはずです!』

「やだ弥生、まだ食べ終わってないの? 早く食べちゃって。今日は早出なんだから」

洗濯物を干し終わったお母さんが、俺を見ると顔をしかめ、キッチンへ入っていった。

食器をシンクへ持って行った妹とお母さんがすれ違いに戻ってきた。

「はい、これ」

そう言って差し出されたのは濡れた台拭き。

「飛び散ったケチャップぐらい拭きなよ」

「ありがと…」

台の上に飛び散ったケチャップを拭いてから残りの朝食を食べた。

朝からケチャップご飯は、味が濃過ぎて食べきれなかったけど…。


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