綱吉の携帯に連絡がはいった。
ちなみに綱吉の携帯は私が管理することに。なんたって悪口や嫌がらせが多すぎるから。
「綱吉」
「どうしたの?名前」
「奈々さんが、倒れた」
「母さんが!!?」
不安げに揺れる澄んだその瞳に苛ついた。
だって奈々さん、綱吉に酷いことしたんだよ?綱吉のこと、信じなかったんだよ?どこぞの馬の骨かもわからない女のいうことを信じたんだよ?
殺してやろうか、と言いそうになったのをすんでのところで飲み込んだ。
だって、綱吉は、優しいから、きっと悲しむ。
綱吉の悲しむ顔なんて、みたくない。
「母さん…」
「ただの疲労だって」
「疲労って、俺のせい…」
「違う」
綱吉のせいなんかじゃない。
悪いのは綱吉を信じなかった奴ら全員だ。
「綱吉は悪くない。自分を追い詰めないで」
「でも、やっぱり心配だよ…」
「なんで?綱吉の心をこんなにボロボロにしたのに?」
訊いてしまった。
「確かに、無視されたりするのは凄い悲しかったし、つらかった」
ほら
「でも」
でも?
「やっぱり、俺の母さんだから」
私には、綱吉が何を言っているのか上手く理解が出来なかった。
母親って、そんなに綱吉の中で大きいものなの?
母親っていったいなんなの?
ああ、悔しい。