「名前って運動できないゴリラみたいな顔してるね」
「なんか言動が鈍くさそうだよ」
「名前如きが僕に話しかけていいと思ってるの?」
「パソコンに向かって一人で話してなよ」
「うああああああああ!!!…あ、夢か」
先日のフリッピーさんの本性チラリズム事件の影響かわからないけど天使フリッピーさんにひたすら罵られる夢を見た。
どこの業界のご褒美なのか私にはまだ解りかねますが新しい扉を開きそうなので自分が怖いです。
ピンポーン
おや、誰か来たようだ。
でも今寝間着だし髪もぼさぼさだしでなくていいかな、いいよね!
もぞもぞと布団を再び被り二度寝しようとした、けど。
ピンポーン
ピンポンピンポンピンポーン
ピンピンピンピピピピピピンポーン
ピンポ「うるせぇえええええええ!!わかった!ごめんなさい出ます!出ますよ!」
しつこい。
お前のその粘り強さに負けたよ…。
さささっとジャージに着替え(ダサいとか言うな)玄関に向かう。
だいぶ我が物顔でこの家に居座るようになってきたなぁ、適応能力高い私褒めてあげたい。
「ったく、誰ですかー」
「俺だ!」
「いや知らんがな」
「お前か!ハンディの言ってた名前って奴は!」
「(ああ…ヘルメットのお兄さん)そっすよ」
「まあ立ち話もなんだ、上げってくぞ!」
「え、いや、あの、え?」
なんだこの人。
なんなんだこの人!?
図々しすぎるだろ!?
え、あれここ私の家だよね?あれ?この謎の海賊コスプレのお兄さんのお家じゃないよね?あ、ていうか凄いこの人リアルフ○ク船長だ!!!本物だ!!!
「いやぁ悪いな突然!新人がどんな奴か気になってよ」
「はぁ…そっすか」
「俺はラッセル!呼び捨てでいいぜ」
「それで海賊コスのお兄さんはなんか用ですか」
「あれ、人の話聞いてた?」
「聞いてませんでした」
「聞いてたよな!?絶対聞いてたよな!?」
このお兄さん図々しいけど凄い親しみやすい…!
なんか久しぶりにまともに会話してる気がする…!
「いや、会話になってねぇだろ」
「よおハンディ、来たのか」
「邪魔するぜ」
「え?なんで?鍵は?」
「そりゃあお前、ここは俺の建てた家だし、な?」
「いやいやいや、な!じゃないですって!何でもありかお前ら!?」
いつの間にやら我が家にハンディさんが侵入していた件についてはあとでじっくりフリッピーさんに相談するとしよう。
ていうか今気づいたけどラッセルさん義足だ…ハンディさんに至っては袖で隠れて気づかなかったけど腕が…確か街から出ると幸せの木の効果は切れちゃうんだよね…。
(ていうかハンディさんはどうやってこの家を建てたというの?)
でもあれだね
2人はこの街の外に出たことがあるかもしれないってことだよね?
「あの、ハンディさんとラッセルさん」
「なんだ?」
「2人はこの街から出たんですか?」
二人は顔を見合わせて苦笑いをして見せた。
「俺達のこれはこの街に来る前のものだよ」
「前…前のこと覚えてるんですか?」
「いんや、ぼんやりとしたことしか思いだせねぇ」
「そうだな、自分のことと常識ぐらいか?周りのことはほとんど曖昧なんだ」
「…そうっすか」
その後もしばらく雑談をして2人は帰って行った。
(私ずっと髪ぼさぼさだったんだけど気にしてないっていうか完全に女として見られてなかったよね、いやいいんだけどさ!!)
しかしさっきの話、これはつまりどういうことなんだろう。
私は一体どこに迷い込んでしまったんだろう。
私は何をして何でここにいるんだろう。