緊急避難警報が出たようだ。

サイタマさんはいつものヒーロースーツを着て部屋を飛び出してしまった。

え、私がどこにいるのかって?

それはもちろんサイタマさんのお部屋です。一年前から押しかけてなんやかんやで言い包めてそのまま居候です。周りに人はいないし朝昼晩サイタマさんと一緒にいられるし快適です。一生をサイタマさんの隣で過ごす予定です。

一つ邪魔なもの上げるとすれば、それは怪人の存在。
あいつらは私の住んでいた家を壊しやがった挙句サイタマさんとの時間を減らしやがる大変迷惑な存在なので速やかにいなくなってほしいと思います。
まあ、でも?サイタマさんの格好いいところを見れると思えば我慢できることもないです。戦ってるサイタマさん本当イケメン。

そんな格好いいサイタマさんを見るために私は腰を上げて家を後にした。(一応戸締りもしっかりして)


サイタマさんは存外早く見つかった。
私がサイタマさんを見つけられないなんてありえないのだけど、今回は災害の素が大きかったために探す手間も省けた。

近すぎず遠すぎず安全なところに身を潜めて大きな人の肩を見上げる。
そこにはサイタマさんがちょこんと座っていて大変可愛らしい。視力はいい方だと自負している。

「パンツはけよ」

というなんともサイタマさんらしい発言が聞こえてきて思わず頬も緩んでしまう。
なんでそんな距離からサイタマさんの声が聞こえるのかと問われれば盗聴器を、いやなんでもない。愛の力とでもいっておこう。

その時イヤホンからとんでもなく叫び声が聞こえてきて思わず顔をしかめる。いや、もう意識が飛びそうだ。ついでに言っておくと私はとても聴力がいいのだ。

くそ、あの怪人絶対許さない。

そのあとの記憶は私に残っていなかった。



うっすらと目をあけると最初に飛び込んできたのはサイタマさんの広い背中。
ああそっか、私は気を失ったのか。絶対許さないとか思ってた気がするけど許すわ。むしろ感謝するわ。うああん!サイタマさんにおんぶされてる!暖かい!!いい匂い!
後ろでもだもだしている私に気が付いたのかサイタマさんは軽くこちらに視線をやった。


「気がついたか」

「うん!えへへ…サイタマさんよく私があそこにいるってわかったね!」

「まあな、お前のことだろうし見当はついてた。気絶してるとは思わなかったけど」

「いやぁあまりの大音量に意識がもっていかれて…」

「あの距離じゃそんなに影響ないだ…まさかお前」


しまった!!今のは失言だった!
案の定私はサイタマさんに盗聴器を仕掛けているのがばれてしまい背中で延々と説教を聞かされたのであった。でもまあこんだけ密着してるしいいかな、なんて!


「はぁ…」

「サイタマさん溜息吐くと幸せ逃げますよ。まあ逃げた幸せは私が貰ってサイタマさんに分けてあげますけどね!」

「お前さっきまで気を失ってたのに元気だな」

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