一時間目は国語だというのに辞書を忘れてしまった。
これは隣のクラスの親友に借りるしかないなぁ。
授業が始まる前に行ってしまおう。

そうして私はコーヒー牛乳片手に三村信史に会いに行くのだった。


「三村ぁ辞書貸して〜」

「なんだよみょうじまた忘れたのかよ」

「ごめーん」

「俺んとこ三時間国語だからちゃんと返してくださいよ、と」

三村の投げた辞書は綺麗な放物線を描いて私の手元に飛んできた。ナイスシュート。

「あいよ〜サンキュ」

「お礼はジュース一本でいいぜ?」

「飲みかけでよければこのコーヒー牛乳を贈呈しようぞ」

「仕方ねぇな」

飲みかけのコーヒー牛乳で手を打ってくれるのだから良い奴だなー。

とかなんとか思いながら自分の教室に戻っていくみょうじの後ろで三村のクラスメイト達が噂をしていることは三村信史、彼しか知らないのであった。

「なにあれ恋人?」

「三村彼女いたのか…」

「てか夫婦だろ」

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -