いつか聞いたことがある。
「世界で一番君が好き」
そう私に言ってくれた子は、今どこにいるのだろうか。
もうずっと待っている。彼が会いに来てくれるのを。
私は会いたくても、たぶん彼に会いに行けない。もう、私の身体は思うように動いてくれない。完全に動かなくなるその時まで時間はあまりないんだろう。
もう会えない。嫌だ。悲しい。寂しいよ。
気がつくと私は、もうしばらく開いていない携帯のアドレス帳を開き、彼の名前を探した。
−沢田綱吉−
発信を押せない。怖かった。
もう何年も声さえ聴いていない。
全てを包み込むような、優しい優しい彼の声。
優しい彼なら、きっと出てくれる。
きっときっと、私を忘れてなどいない。
淡い期待を胸に私は発信を押した。
彼が出てくれたら、私も伝えなきゃいけない。
世界で一番君が好き
私が貴方とわかる内に、早く帰ってきてくださいよ。
5日前にサイト(たぶん)四周年でした。
いろんなジャンルにふらふらと浮気していましたが、私の原点は綱吉くんです。
ちなみにある曲をちょっと意識しました。
6/12