いつか聞いたことがある。
「世界で一番君が好き」

そう私に言ってくれた子は、今どこにいるのだろうか。
もうずっと待っている。彼が会いに来てくれるのを。

私は会いたくても、たぶん彼に会いに行けない。もう、私の身体は思うように動いてくれない。完全に動かなくなるその時まで時間はあまりないんだろう。

もう会えない。嫌だ。悲しい。寂しいよ。
気がつくと私は、もうしばらく開いていない携帯のアドレス帳を開き、彼の名前を探した。

−沢田綱吉−

発信を押せない。怖かった。
もう何年も声さえ聴いていない。
全てを包み込むような、優しい優しい彼の声。

優しい彼なら、きっと出てくれる。
きっときっと、私を忘れてなどいない。
淡い期待を胸に私は発信を押した。

彼が出てくれたら、私も伝えなきゃいけない。


世界で一番君が好き


私が貴方とわかる内に、早く帰ってきてくださいよ。




5日前にサイト(たぶん)四周年でした。
いろんなジャンルにふらふらと浮気していましたが、私の原点は綱吉くんです。
ちなみにある曲をちょっと意識しました。
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