「失礼する」
「オマエ…何を拾ってきたんだよ」
「え、」

キョトン、と声の主を見た。
なんだろう…この人、見覚えが………。

「あっ!つ、綱吉君!?」
「あ゛?」

不機嫌そうに、面倒くさそうに私を睨む青年は、確かに綱吉君だ。
でも、なんだか怖い…。
ビクリとフードの人に隠れてみれば、綱吉君(仮)は余計に睨みをきかせた。

「バカ鮪、止めろ。この子は敵じゃない」
「バカ鮪じゃねぇ。綱吉だっつーの!敵じゃないだぁ?」

訝しげな声に私はおそるおそる顔を出す。
鋭い彼の視線に悲鳴をあげてまた身を隠す。

綱吉君だけど、私の知っている綱吉君じゃない…!

混乱と不安で涙がにじむ。
うぅーっ!意地でも泣くもんかっ!




「やめろと言ってるだろ」
「あー、はいはい」

仲良いのかな…?
漫才みたいに軽いやり取りをする二人に少し気持ちが落ち着く。
でも…何で、私はここにいるんだろう。

無意識にフードの人の服を握れば、その人はちらりとこちらに目をやった。
あ…しわになっちゃうし、怒られる…かな。

私の心配をよそに、その人はついと目を綱吉君(仮)に戻した。

「綱吉、この娘を保護しろ」
「はぁ!?なんで、んな敵かもしんねぇガキなんかを」
「て、敵じゃないっ!」
「あ゛ぁっ!?」

思わず噛み付くように返せばギロリと睨まれる。
ヒィイィィッ!

「敵じゃないっつてるだろ。人の話を聞け、このバカツナ缶」
「ツナかっ…!?よし、表へ出ろ。俺が誰が思い知らせてやる」
「上等だ」

え、えぇぇー!?
なんかやる気になったんですけど、この人たち…!
少し置いてきぼりにされた私が困っていれば、ノック…?がしたと同時に扉が開いた。
というか、倒れてきた。


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