短編 | ナノ ストックホルム症候群
ルーピン
 3月10日。卒業式が終わった放課後、私は友人達と学校でかくれんぼをしていた。

 最初は『小学生じゃないんだから〜』と馬鹿にしながらだったのだが、いざ始めてみるとこれが結構面白くて。隠れる側も探す側も無駄に知恵をつけた分、トラップを作ったりおとり作戦をしたりと、やりたい放題だった。

 3年間毎日通っていた高校だというのに、初めて訪れる場所や初めて見るものがたくさんあり、いい思い出になりそうだ。

 ノリのいい担任が、鬼の味方をして生徒を校内放送でクラスの中心格の男子を呼び出したのには驚いた。スピーカーを通して「卑怯だ!」と抗議する声と、笑い声が聞こえてくる。「くそ!こうなったら捕まったやつ全員鬼になって探すぞ!」とその男子が言い、「おー!」という複数の声が響いた。

 ここで笑ったら負けだ。きっと既にその辺を鬼グループがうろうろしているに違いない。私は体育館倉庫の古びたロッカーの中に身を隠しながら、そういえば今日はリーマス・ジョン・ルーピンの誕生日だなとぼんやり思った。

 家に帰ったらチロルチョコでお祝いしてあげよう。なんか中から黒い蜜がでてくるやつがあった気がする。あれにしよう。腹黒大王にぴったりだ。

 なんて馬鹿げたことを考えていた私は、ふと周りが静か過ぎることに気づいた。

 探し回る鬼の足音どころか、さっきまで聞こえていたパス練をしていたバスケ部の声も、外周していた野球部の声も、合唱部の歌声も聞こえない。急に不安に駆られた私は、そっと戸に手をかけた。


『……開かない』


 中途半端に開いていた戸を力任せに閉めたのがいけなかったのかもしれない。どんなに力を入れてもびくともしない。それどころか、叩いても揺らしても音すらしない。

(おいおい、ちょっと!ホラーじゃん!)

 高校最後にして7不思議入りするなんてごめんだ。私は狭い空間の中で最大限に助走をつけて体当たりをした。

* * *

 結論から言うと、戸は開いた。しかも、私が体をぶつける直前に。おかげで私はロッカーから飛び出し、盛大に床に体を打った。


『いったあああ!開けるなら開けるって言ってよね!!』


 友人のタチの悪い悪戯かと思い、文句を言いながら身を起こした私は、中腰くらいの中途半端な格好で口をあんぐりあけて固まった。


『……あれ?』


 目の前にいたのは、気弱そうな丸顔の少年。怯えた顔立ちは、光の加減のせいでなければ、ずいぶんとハーフっぽい。さらにその後ろには、ずらっと同じような服装をした少年少女が並んで私を見ている。
 のっぽの赤毛に、額に傷がついた眼鏡に、偉そうな金髪に……見覚えのある顔がいくつもあった。


『えーと?』


 混乱する頭を傾けて右を見ると、よれよれのローブに傷跡が残るほっそりした頬、驚愕に目を見開いた鳶色の髪の背の高い男性が立っていた。

 あれだ。腹黒大王だ。


『ワッツ!?』


 思わず自分自身でも意味不明な英語が口をついて出た。目の前にいた少年――間違いなくネビル・ロングボトムだろうが――は、「ひっ!」と悲鳴を上げて後ずさった。
 なぜか目線は私ではなく、私の背後にある。いったいなんなんだと振り返った私は、ネビルの声をまるまる掻き消してしまうような大きな声で悲鳴を上げた。


『ぎゃー!陰険根暗女装教授!』


 大きなハゲタカ帽を被り、スカートを履いたスネイプが、至近距離で立っていた。

* * *

 教室は大爆笑に包まれたあと、何事もなかったかのように授業が再開された。というのも、リーマスが隙を見て私を蟻に変身させたのだ。誰ひとりとして私が消えたことを不思議がる生徒はいない。なんでもありの魔法って怖い。

 おかげで私はロンが出したクモに食べられそうになり、パーバティに踏まれそうになり、ディメンターに生気どころか体ごと吸い取られそうになったりで、とにかく死にそうだった。

 授業が終わり、生徒達が帰ったあとで、ようやく人間の姿に戻れた時は、嬉しさのあまり涙が出そうになったほどだ。


「教室を間違えた……わけではないよね?」


 ボガートをしまいこんだ洋箪笥を部屋の隅に移動させながら、リーマスは言った。どうやら私はあの中から飛び出してきたらしいということが今までの状況から推測できた。

 学校のロッカーがホグワーツに繋がっていたなんて知らなかった。実はうちの学校は昔魔法学校だったのか。いや違うか。

 とにかく、リーマスは私がこの学校の生徒ではなく、ましてや間違えて3年生の授業に混ざってしまったのではないことくらい分かっている。それでもなお、「迷子かな?」と優しい声で聞いてくる。


『世界を間違えました』


 つでに日付も半年程タイムスリップ。さっきまで桜咲く3月だったはずだ。


「……えーと」


 リーマスは眉を下げて頬を人差し指で掻いた。困り果てているようにも見えるが、目が鋭く光ってる。ヘタに動いたら殺されそうな感じ。なんていうか、獣が獲物を狙うような?

 そりゃそうですよね。今が“アズカバン”時系列なら、脱獄した殺人犯(濡れ衣)にピリピリしているところだもんね。ポケットに入ってるチョコレート献上したら許してくれるかな。無理か。


「とりあえず、こちらへおいで。そろそろ次の授業の生徒達が来る」


 リーマスはそう言って備え付けの階段を昇って自室に私を連れていった。


「名前は?」
『ミョウジ・ナマエです』
「私はR・J・ルーピン。ここホグワーツ魔法魔術学校で闇の魔術に対する防衛術を担当している。ナマエ、君はここの生徒じゃないね?」
『日本の女子高生です』
「ジョシコーセイ?」


 あ、なんかその響きエロい。さすがリーマス。高校がわからないんだろうなと思って“学生”だと言いなおすと、リーマスは納得したようだった。


「どうやってここへ?」
『ロッカーに隠れてたらここに出ました』
「なるほど。誰かの悪戯のようだね。私は授業で使う前に洋箪笥を調べたつもりだったのだが……どうやら見落としがあったようだ」


 手が込んでいるだの危ないだの、リーマスはぶつぶつと独り言を始めた。魔法省の国際なんとか部に……とか言ってる。ちょっと話が大きくなりすぎてやいませんかね?

 それにしても普通にリーマスが何を言っているか聞き取れるのが不思議だ。ついでにリーマスも私の言っていることを理解しているっぽい。

 アレだ。これはかの有名なトリップだ。ということは、この次はダンブルドアに相談しに行く流れに決まってる。それでもって転入扱いで大広間で夢の組み分け!


「聞いてるかい?」
『スミマセン聞いてませんでした』
「私はこれから授業に行く。君はここから出ないほうがいい。ここでじっとしているんだ。いいね?」


 授業?ダンブルドアは?私の素敵ホグワーツライフは?

 まさかの展開に私がポカンとしている間に、リーマスは部屋を出て行った。ガチャって音がしたから、カギを閉めたんだと思う。ひどい。

 鍵穴から教室を覗いても、階段の手すりと窓とランプの隅っこしか見えない。かろうじて聞こえる声を手がかりに推測すると、2年生の授業なのだと思う。だってルーナの特徴的な声が聞こえたもン。

 ルーナかわいいよね。マジ天使。写真撮りたい。そうだ携帯があるから写メを撮れるじゃないか。というところまでいき、私はあることを思い出した。


『電気製品使えないんだった……』


 電波がないどころか、画面は真っ黒のまま。これじゃただのゴミだ。てことは、当たり前だが誰とも連絡がとれないということになる。これでは本当に学校の七不思議入りしてしまう。


『帰らないとまずい……よね?』


 私は誰にともなく尋ねた。さすがに家族や友人は心配するだろう。
 あの洋箪笥に入れば戻れそうな気がするが、もう一度こちらへ来れるかどうかはわからないため、帰らなきゃという気持ちも揺らぐ。


『ま、いっか』


 いざとなれば逆転時計がある。トリップしてきた瞬間に戻ってから帰れば問題ない。せっかくやってきた世界、楽しまなければ損だ。


『……楽しめるかな?』


 ホグワーツ生活を楽しむためにはこの部屋から出なければいけない。リーマスの説得。
まずはそこからだ。最初からハードルが高い。

* * *

「駄目」


 リーマスの返事は短く、端的だった。


「他に方法がないんだ。仕方がない」


 あるある、いっぱいあるって!ダンブルドアに相談するとか、ダンブルドアに相談するとかダンブルドアに相談するとか!


「校長は今いないんだ」


 なんだいないのか。って、なんで私が考えていること分かったんだ。
そんなに分かりやすい顔してるかな?

 にしたって、副校長のマクゴナガルに知らせるとか、どっかの寮の空き部屋を使わせてもらうとか、いろいろあるでしょうよ!


「誰か来たみたいだ」


 話の途中だというのに、リーマスは私を寝室に追いやって鍵を閉めた。扱いがひどい。

 トリップってのは、もっと華やかで素敵なもののはずだ。最初にハリー達やスネイプなどの主要メンバーを生で見ることはできたが、あの時はパニックでよく見る余裕もなかったし、スネイプなんて女装してたし。まああれはある意味素敵だったけど。
 そのあとはひたすらドア越しに聞こえてくる声を楽しむのみ。狭い寝室でぽつんとベッドに腰掛け、来訪者が去るのをひたすら待つしかないとか、こんなトリップは全然おいしくない。


「ごめん、お待たせ」


 しばらくして、リーマスが申し訳なさそうな顔でドアを開けた。ふてくされながら寝室から出ると、テーブルの上に夕食が準備されていた。やはり大広間には連れて行ってもらえないらしい。


「嫌いな食べものある?」
『特に』
「よかった。しもべ妖精に言って着替えも持って来させたから風呂にも入るといい。寝室の右奥にある」


 どうやらここを私の家代わりにするしかないようだ。出られないから、むしろ牢獄か。ため息をつきつつも、憧れのカボチャジュースに手を伸ばす。


『おいしい!』


 思わず歓声をあげた私を、リーマスがニコニコしながら見ている。なんか餌付けされてる気分だ。たくさん食べさせて太らせて、満月の晩においしくいただこうみたいな?

 一抹の不安を感じつつも、豪華なディナーを心ゆくまで楽しみ、お言葉に甘えてシャワーを借りた私は、ふと別の心配に気づいた。当然のことだが、この部屋にベッドは1つしか存在しない。ここは紳士の国だから、きっとリーマスは私にベッドを譲ってくれるだろう。

 長身のリーマスが寝るには、あのソファは小さすぎる気がするが。手とか足とかはみ出してしまうだろうに。急に申し訳ない気持ちになりながら寝室に戻ると、リーマスはベッドでくつろいでいた。

 え。リーマスそこで寝るの?ってことは、私ソファ確定?えげつないよ、さすがリーマス、黒すぎだよ。


「ナマエ、いつまでもそんなところに立ってないで、おいで」


 おいでってまさか、一緒に寝るパターンですか?私一応18なんですが。こっちの世界でいうと立派な成人女性なんですが。


「大丈夫、何もしないよ」
『されちゃ困ります。ていうか訴えます』
「はは、アズカバンは勘弁願いたいね」


 リーマスは笑ってベッドの隅に寄った。いやもう私ソファでいいですと思ったが、有無を言わせぬ迫力がその笑顔にあった。仕方なく私はもそもそともう片方の隅にもぐった。

 あまり広くはないベッドだ。寝返りを打ったら密着してしまう。しかも何もしないと言っていたくせに、リーマスはおやすみと言って額にキスをしてきた。

 寝れるか!

* * *

 リーマスのせいで私は毎日寝不足だった。日中はすることもなくて退屈だということもあって、気づくとうつらうつらしている。だって鍵穴から教室の様子を伺い、声判別するくらいしか楽しみがないんだもん。せっかくのホグワーツだというのに、私は完全に籠の中の鳥だ。

 ある日、うたた寝から目を覚ますと、隣にリーマスがいた。


『うわあ!』
「そんなに驚かなくても」
『だ、だって!』


 気のせいでなければ肩を抱かれていたような気がするし、手で髪を梳かれていたような気がする。とにかくこの密着状態をどうにかしようと、身をずらしてリーマスから遠ざかった。一瞬リーマスの顔が曇った気がする。


「いつも一緒に寝ているだろう」
『そ、それとこれとは違うでしょ!』
「ナマエは私が嫌いかい?」
『そうじゃないけど!いきなりくっつかれたら緊張するでしょう!』
「緊張か……かわいいね」
『なっ!』


 くそう。完全に子ども扱いされてる。もしくはペット扱い。そのうち飼い犬に手を咬まれても知らないからな!……そんなこと怖くてできないけど。


「そろそろこの部屋にずっといるのも飽きてきた頃じゃない?」
『まあ……』
「出ても、いいよ」
『ホント!?』
「ただし、夜の間だけだ。朝日が昇ったら戻ってくること。いいね?」


 そう言ってリーマスは透明マントらしきものを私に手渡した。いったいどういう風の吹き回しだ。何か裏があるんじゃないかとも思ったが、せっかくのチャンスなのでお言葉に甘えることにした。

 意気揚々と部屋を出て、廊下から煌々と光る満月を見て、ハッとした。そういえば数日前から頻繁に陰険教授が来ていた気がする。顔色が悪いなとは思っていたが、普通に振舞っていたために満月が近づいていたなんて思いもしなかった。

 急いで部屋に戻ったが、鍵が掛けられていて中に入ることはできなかった。リーマスは朝になって疲れ果てた顔で出てきて「お帰り」と微笑んだ。


『ただいま』
「どうしたの?楽しくなかった?」
『ううん。でも、もう出なくていいや』
「また時間が経てば出たくなるよ。また来月、出してあげるね」
『うん』


 リーマスが隠したがっているのを暴くのもどうかなと思って、その場は何も言わずに黙ってマントを返した。


『眠い』
「寝るといい」
『リーマスも。一緒に寝よ』


 どうせ一睡もしていないに違いない。驚くリーマスの手を引き、無理やりベッドの中に押し込んだ。どうせ今日は休講か代講にしているんだ。私に気を使わせるのは申し訳ない。ほどなくして寝息を立て始めたリーマスのやつれた顔を見て、初めてこの腹黒大王がかわいそうだと思った。

* * *

 目を覚ますと、目の前にリーマスの顔があった。リーマスを観察している間に寝てしまっていたらしい。いつもリーマスに背を向けて寝ていたため、完全に油断していた。

 寝返りを打とうとしたが、反対を向く前にリーマスが目を覚ましてしまった。しかも、腕をつかまれた。その病人みたいな姿のいったいどこにそんな力があるんだというくらいだ。


「リーマス」
『はい?』
「昨日、私のことをリーマスって呼んだだろう?」
『ついうっかりです。すみませんルーピンさん。生意気でした』


 何これ寝起きでいきなり説教?そりゃ確かにたいして親しくもない年下のペットもどきがファーストネームを呼んだのはまずかったかもしれないが、状況が状況だったし、1回くらいさらりと流してくれてもよくない?
 腕痛いんですけど。顔色悪いから余計怖いんですけど!


「私は君にリーマスという名前を教えた覚えはない」
『じ、自己紹介してたじゃないですか』
「R・J・ルーピンと言った」
『じゃあドア越しに聞いたのかも』
「生徒達は私をルーピンとしか呼ばない。セブルスだってそうだ」


 リーマスはじっと私の目を見てきた。


「どうして逃げなかった?」
『へ?』
「知っていたんだろう?全部。ここがどこだかも、私の本名も、正体も」


 なんかいっぺんにいろいろとばれてる。もしかして開心術使われた?


『ええと……はい。すみません。全部知ってました。ルーピンさんが――」
「リーマスでいいよ」
『――リーマスが、狼人間だということも』
「じゃあなぜ戻ってきたんだ。元の世界に戻るチャンスだったのに」
『ああ……そこまで気が回りませんでした』


 確かに戻るチャンスではあった。教室の隅にはまだ洋箪笥が置かれていたのだから。だけど、満月だと気づいた時から、リーマスのことが心配でそれどころじゃなかった。
それを説明すると、リーマスは微笑んだ。心なしか、“黒い笑み”に見える。


「嬉しいよ」


 なぜか身の危険を感じたので遠ざかろうとしたが、リーマスの腕がそれを許さない。


「どうしたら君に好いてもらえるかって、ずっと考えていたんだ」
『はい!?』


 何を言い始めるんだこの人は。脱狼薬の影響で頭おかしくなったんじゃないか?


「一目惚れだったんだ。でも私はこの歳だし、人狼だし、さらに世界が違うとなればもうどうしようもない」


 突然のことに頭がついていかない私をよそに、リーマスは勝手に話し始めた。


「とっさに考えたんだ。世界が違うなら帰れないようにしてしまえばいいし、他の人間に会わせなければ私だけを見てくれるようになるかなって」


 ちょっとちょっと、何この人。どんな危険な思考の持ち主よ。まさか本当に監禁されていただなんて思いもしなかったよ!


「ナマエはいつも私に対して警戒心を抱いていたし、満月が来たらもうごまかせないから、いいかげん諦めようと思ったんだ」


 ナマエを外に出したのは、人狼としての姿を見られたくなかったということだけではなく、誰かに見つかるのを見越してだったとリーマスは言った。見つかって、捕まって、元いる場所へ戻されれば、諦めざるを得ない。


「でもナマエ、君は戻ってきた」


 ニッコリ笑うリーマスの周りには、やっぱり黒いオーラが漂っている。


「私を想って、だろう?」
『ち……違うと思います……』


 そうだけど、これは認めちゃ駄目なパターンだ。


「はは、ナマエは嘘が下手だね」
『嘘じゃないし』
「じゃあやっぱり私のことは嫌いなのかい?」
『う……』
「嫌い?」


 そんな泣きそうな顔して言うなんて反則だ。ていうか演技でしょ。顔を横に振ったらコロッと表情変えやがって!


「じゃあ、ちゃんと好きだって言って」
『なんでそうなるのよ!』
「言えないのかい?私は言えるよ、ナマエが好きだ」


 ほら、ほら、とリーマスが迫ってくる。これって脅迫なんじゃないの?頑なに私が黙っていると、リーマスはため息をついた。

 そして、「そろそろ食べごろだと思ったんだけどな」と恐ろしいことを口にした。
ストックホルム症候群 Fin.

[メジャー企画(+アンケート)より]
・トリップ又は転生した日本人ヒロインでシチュは生徒なヒロインがちょっと性格黒いルーピン先生に惚れられじわじわと追い詰められて落とされていくみたいな感じで最後はくっつく。
・腹黒狼の手にかかって美味しくいただかれる
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