恋に落ちる確率柳仁 | ナノ
ふ4限の音楽をさぼろうと、屋上に作られた倉庫の影で寝ていると近くから男女の声が聞こえてくる。
どうやらすでに昼休みになってしまったようだ。

聞き慣れた1つの声に顔だけそっと倉庫の影から出すと、やはり声の主は柳で、会話の内容はきちんと聞き取れはしないが告白されているというのは分かる。
涙目で去っていく女子生徒の様子からして彼女の告白は失敗に終わったらしい。

「盗み聞きとは趣味が悪いな。」
「プリッ。俺の休息を邪魔したのはそっちじゃき。屋上は俺がいる可能性高いなんてこと、参謀なら分かってたじゃろ?」
彼女が屋上から出て行くのを見送っていた参謀とバチリと目が合い(柳の場合この表現が正しいのか分からないが)、舌を出しながら物置の影に隠していた体を出す。

「お前は本当に話を言いくるめるのがうまいな。」
「それはお互い様じゃ。それにしても参謀も隅に置けんのぅ。モテモテじゃ。」
爽やかな風になびく柳のサラサラな髪を横目に見ながら言う。
「それは此方の台詞だな。呼び出し・伝言・手紙。全てにおいて仁王の方が多いだろう。」
「まさかレギュラー全員分全部把握しとるんか。データマンは怖いのぅ。」
ブルブルと肩を震わせてみせる俺にさらりとお前の分だけだ。と返され返す言葉を一瞬失う。

「…それよりなんで断ったん?タイプじゃなかったん?」
「彼女がタイプじゃないからでなく他に想っている者がいるからだ。」
話を反らすために投げかけた問いに返ってきた予想外の答えにいたずら心をかきたてられる。
「参謀に好きな人がおるんとは初耳じゃ。クラスの奴か?それとも…」
「それより仁王、お前こそあれだけ告白を受けて了承しないのは何故だ?」
「別に女に興味ないからの。」
やはりと言うべきか質問に答えない柳に口をへの字にして答える。
「女に、ということは男には興味があるということか?」
「なんでそうなるんじゃ。さては参謀、お前さんの好きな人が男なんじゃなか?」
一瞬の間をおいて、してやったり顔の俺の視界を目を開いた柳の顔が埋め尽くす。

「…その通りだ。と言ったらどうする。」
「…別にいいんじゃなか?応援するぜよ。」
「応援か…。仁王、お前は何故俺の好きな奴が知りたいんだ?友人として、もしくは部員として弱味を握りたいのか、もしくは…」
「それは…友人としては応援するし部員としてはネタにしたいし…」
「そして俺のことが好きだから、か?」
「はあ?何言うとるん…」
ぎょっとする俺の顔を掴んだ柳が更に顔を近づけてくる。
「俺はお前が好きだ。仁王、お前も俺を好きだと言う。1ヶ月以内にな。…確率は100%だ。」
そう言ってフッと笑った柳の顔に胸の音が激しくなったのは気のせいに決まってる。



なんか短くなってしまいました。

柳仁って駆け引きがとっても楽しい!
2人も同じ学校同じ部活にこんな相手がいて嬉しいに決まってる!

ただ私には賢さが足りてなくて駆け引きがうまく書けませんでした…

データのとれない男仁王は柳の予測通りになるのか?むしろもうなってるのか?

以上!

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