とりあえず俺は、艦内を一番熟知しているであろう隊長に聞いてみる事にした。
「隊長ならば、間違いないだろう!」
鬱陶しいくらいジェニウスは隊長の事が大好きだ。おそらく今もちょこまかと隊長のまわりをウロついている可能性があるから、隊長と一緒にいれば事は解決だ。
「我ながら良い考えじゃないか」
自分で自分の考えに満足した俺は、隊長室へと足を向ける。
「失礼します、クルーゼ隊長!」
「おや、イザーク…どうした」
隊長室に入る事を許され、入室するとデスクに一人向かって何かを操作している隊長が居た。
残念な事にジェニウスの姿は見あたらない。
ちっ…そんな巧くいくわけもないか…仕方ない
内心の落胆を表には出さず、俺は隊長にジェニウスがどこにいるのか、さりげに尋ねる。
「ふむ…私は知らないな。用向きはそれだけかね?」
「はっ!……あ、いえ、あの……」
絶対に知っていると思いこんでいたせいか、用はそれだけかと尋ねられると、焦ってしまう。
こんな、くだらない事でわざわざ隊長の時間を割いたと思われては……!くそっ……何か……何かないのか……!
内心で滝のように汗を流しながら、口をついて出た言葉は自分でも何を言い出すのかと思うものだった。
「隊長の、趣味はなんでしょうか?!」
「……は?……趣味……かね?」
隊長の仮面が外れていれば、おそらく目を点にした姿が見れるのではないかと思うほど、隊長は一瞬フリーズした。その姿を見て俺はハッキリと失敗した事を自覚する。
だが、口から出ていってしまった言葉は元に戻らない。隊長はしばらく考えるように虚空を見つめると、ひとつ、ため息を吐いた。
しまった!!!他にもあるだろ!何を口走ってるんだ俺は!!
「イザーク…」
「はい!!大変くだらない質問で、失礼しました!」
「いや?この際だから、教えておこう」
「は?」
「…私の趣味を知りたければ、ここに行きなさい」
そう言って、一枚の紙を渡される。
「…敵情視察……?……これは、無人島では?」
「いや、無人島を地球軍が根城にしている……かもしれない」
かもしれないって!!
「それを調べてくるのが君の任務だ。さあ、行っておいで」
「ですが、隊長!」
「いやかね?」
「!!!!」
隊長の声に剣呑さが増す。
「い、行かせていただき…ます」
「そうか。期間は三日。報告を期待している」
「はっ!!」
クルーゼ隊長END
(…結局、隊長の趣味は…人に任務を言い渡すことか?それとも視察か?!)
当初の目的をすっかり忘れるイザークでした。
☆残念!不正解!もう一度トライしてみてね♪