とりあえず、俺はニコルに聞いてみる事にした。
「ニコルは確か…」
俺が部屋に帰る途中、ニコルも部屋に入るのを見た。今ならまだ自室に居るはずだ。
俺はニコルの部屋のコールを鳴らす。だが、中からの反応はない。
「…ニコル…?居ないのか?」
反応がないと思いつつ、ドアの前で悩む。何となくドアの開閉ボタンに触れてみると、難なくドアは開いた。
「…開いた?」
不思議に思いつつ中をのぞくと、ニコルがこちらに背を向け一心に何か作業をしている。
「おい、ニコル…」
「あ、イザーク!?どうしたんです?突然…」
「不用心だな貴様、ロックぐらいかけろ」
勝手に入っておいてなんだが、一応コールはした。
「すみません、夢中になっちゃって」
「…?何をしていた?」
「!!聞いてくれます?!今、すっごい事発見しちゃったんです!」
「は?!……あ、ああ……」
ニコルの目が輝きだした。俺はニコルの勢いに押されて、惰性でとりあえず返事をしたが、それがまずかった。
その後、ニコルは怒濤の勢いでマシンガントークを展開していくのだ。
「さっきまで新曲の編曲をしていたんですけど、このラインにこっちのサブメロディーを段階的に合わせていくと、何ともいえないハーモニーになるんです。あ、もちろん、これは王道な手段じゃないんですけど、でも僕、こういう曲もあっていいんじゃないかって思って。あとあと、こっちの主旋律を半音上げて演奏して、それでここに四分休符と…」
…しまった……ラスティとは違う意味で、俺は目覚めさせてはいけない何かに触れた……!
「に、にこる…!」
「あ、イザーク!よかったら、こっちも見てください!こっちは自信作でして、バックコーラスを入れてもらおうかなって思ってるんです。このバックコーラスの音なんですけど相手を選ぶというか、少し難易度上げてしまって。でも○○楽団ならそれに答えてくれる気がするんですね。実はここの演奏にオーケストラとか入ってもいいかなって思うんですけど、でも僕の腕だとそれもおこがましいかなって……あ、でも、いい曲だって言ってはくれてるんですけど!そうだ、ここの………」
…だめだ…俺の話なんざ、聞いちゃいない…!
俺はいつになくご機嫌で、饒舌なニコルを目の前に、大量の冷や汗を流しながらもマシンガントークを必死で聞き流そうとしていた。
ニコルEND
(あ、そうそう!イザークに見てもらいたいものが…)
(まだあるのか!)
ずっとニコルのターン!(笑)
☆残念!不正解!もう一度トライしてみてね♪