▼花畑で待ちぼうけ



一人ぼっちなのに、幸せそうに笑ってるあいつが不思議で仕方なかった。いつまでたっても人の名前を呼んでくれやしない。嫌ってるなら、もっとひねくれた顔をするだろうに。にこにこ、にこにこと慣れた顔だ。

「ヒロト、サッカーやんねぇ?」
「ごめんね、チューリップくん」
チューリップくん、最初は怒った(ふざけんなこれはカッコいい炎だ!)呼び方も慣れてしまえば日常だった。
僕はだめなの、とニコニコ言うヒロトの声はめちゃくちゃ胸に皺がよってるんじゃないかって位掠れているから、思わず顔をしかめた。
「とっても楽しそうだから」
「だから一緒にやろうっつってんだよ」
「……そう?」
ゆっくりとヒロトは、小さいブランコから立ち上がって俺を見た。こいつ、結構でかいんだ。
「…また誘ってくれる?」
「ッハ、懲りずにまた誘うさ」





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既にヒロトはグランでした



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