間よろしくお願いします。




ホグワーツからの手紙通りに必要なものをを揃えるとすごい量になった
そのたくさんの荷物を大きなカートにのせて9と4分の3番線のホームに立つ。


漸く、漸くホグワーツに行ける!
私の心は人生で一番と言っていいくらいに舞い上がっていた。





「柱に飛び込んだらこんなになってるなんて…!
あの水蒸気を出す大きな機械はなぁに?」


「あれは"汽車"と言う乗り物よ
あなた達をホグワーツまで乗せていってくれるの」


「すごい…!!」




勇気をだして来てよかった

街の人達は魔法が使えないって聞いていたからどんなに不便な暮らしをしてるんだろうと思っていたけど"車"や"汽車"みたいに色んなものを開発していて全然不便じゃない、寧ろ…私はこっちの方が好き。



それにしてもここは"汽車"の蒸気や人々の熱気のせいでさっきいた所よりも少し暑い気さえする、
そう思うぐらい人でごった返していた。





『いってきます、おばあちゃん』


「MYディア、
離れていてもあなたの事を想っていますからね。」





いつもしているように私の頬をするりと撫でた。

いざお別れとなるとやっぱり寂しい
だって、11年間ずっと側で見守ってきてくれた、私の両親がわりの…たった一人のおばあちゃん。

おばあちゃんは一人でも大丈夫かな、島のみんなが見守ってくれるって言ってくれたけどやっぱり心配
それに私も…知らない場所で知らない人との生活…。

急激に不安が襲う





『おばあちゃん…』


「あぁ、急がないと席が埋まってしまうわね」




暗くなった私に気がついたのかおばあちゃんは頬から手を離して微笑んだ





「それじゃあ…頑張るのよ。元気で。」


『うん、おばあちゃんも元気で…』





おばあちゃんのことは心配だけど、みんながいるからきっと大丈夫
自分にそう言い聞かせながら最後にきつくハグをして今度こそお別れ。


私は、汽車の中に足を踏み入れた




『…わお』




今すぐ荷物をほっぽって探検したい…

でもダメ、はしたない事をしてしまえば友達ができないって言われたもの。
長い学校生活、友達が一人もいないなんてそれは嫌!


うろちょろしたい気持ちをぐっと抑えて
空いてるコパートメント探していると運良く空席が見つかった、
二人がけの椅子が向かい合わせに並んだ個室


荷物は重くて持ち上げられなかったから通りすがりの上級生に上にあげてもらった。





『ドキドキするなぁ…』




外を眺めているとコパーメントの扉が開く音がした
空いた扉からひょこりと顔を出したのは深い赤色の長い髪に緑色の瞳の女の子。





「ここ、空いてる?他に席がなくって…」


「あっ、うん。空いてるよ、どうぞ。」





そう答えれば女の子はパッと表情を明るくさせた




「セブルス、空いてるところを見つけたわ!」





赤毛の女の子に呼ばれて入ってきたのは髪と瞳は黒く、それとは反対に肌は青白い男の子。
無表情と重たい髪の毛のせいで暗そうに見えるけど少し女の子みたいに可愛い顔してる。

なんだか正反対みたいな二人…


ぼけっとしていればいつの間にか荷物を積み上げ終わった女の子の方が明るい笑顔で私を見つめてる




「はじめまして、リリーよ」


『はじめまして、サラ・フォーサイスです。』


「フォーサイスってあの!?」





よろしくね、と差し出された手を握って私も自己紹介をすれば握手をした手は離されることなく逆にグッと強く掴まれた

それまで興味無さそうにしていた男の子も横目でこっちを見てる





『あのって?私たちのこと知ってるの?』


「当たり前じゃない!すっごく有名よ
私はセブルスに教えてもらったんだけど…」


『へぇ…有名なんだ…』


「でも子供は"閉ざされた島"の中で育てられるって聞いたわ」


『うん、みんなそう。
ホグワーツ魔法魔術学校に通うのは私が初めてなの!
私がいい魔女になれば島の子供たちはみんなホグワーツに通うことになるかもね』


「ふふ、責任重大ね」




リリーは明るくて話しやすい女の子、
セブルス・スネイプはあまり話さない男の子

性格まで正反対みたいな2人だったけど、たまぁに、それもリリーにだけみせる笑顔はふつうの男の子だから友達になれればいい人なのかも

そうとわかれば二人と友達にならなくちゃ。




『あのね!』


「どうしたの?」


『私、一人で外に出るのも初めてで…その…』




1度言葉を区切ってちらりとリリーとセブルスを伺いみればリリーはキョトンとしたあとに微笑んで




「なあに?」


『お友達って出来たことがなくって…』




徐々に尻すぼみになっていく言葉、サラはどうにも恥ずかしくなってしまいスカートの皺を見つめたまま顔をあげられない





『もし…二人がよければ
お友達になって欲しいな、て…』




「もちろん!私、あなたとはいい友達になれそうって思ってたところだったから嬉しいわ
改めてよろしく、サラ!」





パッと顔を明るくさせてもう1度手を差し出すリリーにサラは目を輝かせた





『こちらこそよろしく、リリー!』


「ほら、セブルスも」




リリーに促されてもセブルス・スネイプは私を横目で一瞥しただけでスグにまた窓の方へ視線を戻した

少し話してくれるようにはなったけど、友達になってくれる気は今のところはないみたい。





「ごめんね、サラ」


『ううん、ゆっくり仲良くなっていくから大丈夫!
おばあちゃんが友達が欲しいからって焦っちゃダメよって言ってたもん』



ホグワーツについてからじっくり仲良くなると笑えばスネイプは迷惑そうに顔を歪めた




「やぁ、」





リリーと同じようにコパートメントに顔を出したのはくしゃくしゃの髪に眼鏡の男の子と、セブルスと同じ黒髪に灰色の瞳の男の子

ネクタイが黒色だからたぶん、同じ1年生。





『こんにちは』


「席が空いてないかと思ったんだけど…」





くしゃくしゃ眼鏡の男の子は肩を竦めた

汽車が出発して時間が経つけれど2人はまだコパートメントを見つけられてないみたい





「あっ、僕はジェームズ・ポッター。よろしく
グリフィンドールに入りたいんだ」




眼鏡の方がジェームズ・ポッター、黒髪の方がシリウス・ブラックと言うらしい




「けれど、入る寮は選べないんでしょう?
私、そう説明されたわ」


「選べなくとも僕は絶対にグリフィンドールに入るね、自信があるのさ!」





ホグワーツには4つの寮があるってことは知ってる、けれど正直何が違うのかよく分からない

確かネクタイの色が寮別で違うってきいたような…



漏れ鍋で聞いた話を思い出してるとリリーに名前を呼ばれた
どうやら私の順番が回ってきたらしい





『サラ・フォーサイス、よろしく』


「フォーサイスって島国に住んでる純血一族だろう?
キミはどこに入りたいんだい?」



『まだ決めてない、
ホグワーツの存在を知ったのも最近で…寮とかよく分からなくて』



「それならリフィンドールはどうだい!?
きっといい魔女になれるはずだよ!」


「お前は?」




シリウスがセブルス・スネイプを見てぶっきらぼうに聞いた




「ぼくは、スリザリン」




目も合わせずに静かに一言だけ答えたスネイプに
ジェームズは目を見開いて、シリウスはぐっと眉間にシワを寄せた




「君、正気かい?
あんな、卑劣で陰湿なところ僕なら絶対に嫌だね」




ジェームズが思っていることを全て口に出してしまう素直な人なのか、そうじゃないかは私には分からないけど
ただコパートメントの空気が冷えたことはわかった


ジェームズもシリウス、リリーも、セブルスも全員が眉間にシワを寄せてる
それぞれシワを寄せてる理由は違うと思うけど、この空気は嫌い




『あー…ねぇ。
あと2つ…全部で4つの寮があるって聞いてるんだけど他はどんな所なのか知ってる?』


「もちろん、間違いなく一番はグリフィンドールだけど
グリフィンドールとスリザリンの他にハッフルパフとレイブンクローと言ってー…」






ジェームズは嬉々として寮の話を語り始めた
殆どはグリフィンドールの良いところとスリザリンの悪口だったからスネイプがまだ眉間にシワを寄せてるけど…

さっきの雰囲気よりかはまだ幾分かましなきがする




「それで?座るのどうするの?」


『詰めれば座れると思うけど…』


「遠慮しておくよ、
スリザリン希望の陰湿なやつと同じ席に座りたくはないんだ」




そう言って去っていく2人
サラは当分そこをぼんやりと見つめていた

あんな意地悪な言い方…ホグワーツはいい人ばっかりじゃないんだ


うまく、やっていけるかな…。
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