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まだ何週間も先のテストに向けて黙々と勉強をするベラとリリーを横目に私は只々分厚い本のページを捲っていた


次のテストはまだまだ先なのにどうしてこのふたりは今から勉強に励んでるんだろう
もう少し先でもいいんじゃないかなぁ…


早くから始めておいて損は無いわ、と言われて図書室に半強制的に連れてこられた

しばらく勉強してる2人をぼーっと眺めたり、目の前のノートを眺めしたけれど、やっぱり暇。




『あァァァー…』


「サラうるさい」





ノートから目を離さないままぴしゃりと言ったリリーをうらめしそうにみながら、きゅっと口を噤む

私に図書室の空気は合わないわ、スネイプの所にでも遊びに行こう
きっといつもの木陰で本を読んでいるに違いない




『私セブルスのところに行ってくる』

「セブルスのところ?」

『うん、たぶん池の近くの木陰にいるだろうから!』




るんるんで向かった私の目に飛び込んできたのはシリウスに呪文をかけられて宙に浮かぶネイプの姿だった。




『ちょっと、何してるの!』


「うるさいヤツが来たぞー!」


『私の友達に何してるの!?』


「友達?こんな薄汚いスニベルスが友達?」




聞いたか?友達だってよ、と笑う4人(特に2人)をみて私は静かに杖を取った




『グリセオ』



そう唱えれば杖を向けられたシリウスとジェームズの地面は滑り台のように変化して彼らは抵抗するまもなく近くの池へと滑り落ちていった

この季節の池は嘸かし寒いんでしょうね。





『ふん、いい気味だわ。』

「サラ、キミやるねぇ!!」




池の中から怒鳴るシリウスと何故か興奮気味でうるさいジェームズを横目にサラはセブルスの腕をつかみ大股で学校の方へと戻る




『あんな人達が勇猛果敢で騎士道をもつグリフィンドール!?信じられないわ!』


「グリフィンドールには自意識過剰で無謀な奴が多い」

『そうね!あの人たちみたいなね!』




お前もグリフィンドールだろう、どうなんだというスネイプの視線なんて私は気づかない




「サラまで目をつけられるぞ」


『心配してくれてるの?ありがとう、でも大丈夫。
いたずらグッズでも呪文でもなんでも来なさい
全部返り討ちにしてやるわ!』





珍しく声を荒らげて怒るサラに廊下をすれ違う生徒は珍しいものを見るように好奇の目を向けている




『それじゃあセブルスまた明日、
私は部屋に戻ってやらなきゃいけないことが出来たの!』




目には目を歯には歯を!
見てなさい、おんなじ目に遭わせてやるわと意気込むサラの、瞳の奥では炎が大きく燃え上がっていた

結局お前も同じではないか、瞳の中で燃え盛る炎をみたセブルスには言えなかった。




次の日からやはりと言うかなんというか、私を標的にした悪戯が仕掛けられるようになった

危ないからとリリー逹と行動しなくなり、2日
ついに私の魔法入りクッキーが完成した




『この前行けに落としてごめんなさい。
私すごく反省してお詫びにと思ってクッキー焼いてきたの良かったら4人で食べて』




心の底から済まなさそうな顔をするサラに騙された4人は疑うことなく、そこ日のうちにクッキーを完食した

しかしその日の夜、4人の身体には潰しても潰しても出てくる吹き出物ができた



「身体中に出来物が…!」

「これはきっとサラのクッキーだよ!」

「だからお前はなんで嬉しそうなんだよ!」



吹出物は潰すと痛くて4人はまともに寝ることも出来ず半泣き状態だったとか……。

その次の日朝早くに談話室でサラを問い詰めたが、サラはにっこりと微笑んだまま、




『私の友達をバカにするやつは許さない』




そう言い捨てて、颯爽と談話室を出ていった

ポッター達4人が当分医務室のお世話になったのは言うまでもない…。



しかし、事はそれだけでは治まらなかった

サラに"悪戯仕掛け人"としての才能があると見込んだジェームズが前にもましてしつこく話しかけてくるようになったのだ。

廊下でサラの姿を見つけては話しかけ、授業ではシリウス達と離れてまで隣に座り毎日毎日…
私とリリーが盛大に顔を歪めていても気にしない、ポッターの心は剛毛が生えてるに違いない。





「サラおはよう!今日もいい朝だね
この前のクッキーすごく効いたよ!」


「サラ!他にはどんな試作品を作ったんだい!?よかったら教えてくれないか?」


「サラ」


「サラ!」



『うるさあああい!
ポッター、私はあなたのことが嫌いなの
気安く話しかけないで!』






声だけはいっちょ前に大きいものの怒るサラは全く怖くない、その証拠に怒鳴られているはずのポッターは変わらず笑顔のままだ




「そんな奴ほっとけよ」


『まだ川に落とされたこと根に持ってるの?』


「お前…っ!」




小さい男ね、と鼻で笑ればシリウスは素早く立ち上がりサラを追いかけるがサラも負けず劣らずのスピードで立ち上がりリリーとジャスミンのそばに走りよった





『リリー、ジャスミン次の授業はどこだっけ?』


「次は生物学よ」


「…サラって初めてあった時はあまり人に物を言わないタイプの子なのかなって思ってたけど…
結構強かなのね」





そう言うリリーだけれど、彼女は私が悪戯グッズを使ってポッター達にしかえすことをあまり良くは思ってないみたいだった。

そんな事をしてはあなたもポッター達と同じになる、たぶんそう言いたいんだと思う。
だって私がいたずらグッズを作ってるって言った時に顔に書いてあったもの。





『大切な人をバカにされるのは我慢ならないし
あぁいう人達はきっとされた側の気持ちが分からないのよ、1度こてんぱんにやられて見るべきだと思ったのよ』





でもやり返したからもうおしまい、そう付け加えるとリリーは安心したように微笑んだ





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