06

たくさんのクッキーを5枚ずつ袋に詰めるリタ
袋にはかわいいカボチャが描かれてるしチョコペンでデコレーションされたクッキーはとっても美味しそう

私達にくれるのかな?
きっと食べたら幸せな気持ちになるんだろうな


うーん、想像しただけで幸せ。





『ねぇリタ、どうしてたくさんのクッキーをつくったの?』


「ハロウィンだからよ」


「サラはお菓子の用意しないの?
ハロウィーンはもう明日よ」




私はもうキャンディーを用意したわよ、と教えてくれるのはジャスミン




『ハロウィーン?』




意味はわからないけど、きいたことがある言葉
どこで聞いたんだっけ…

あ、そうだジェームズとシリウスだ。
最近談話室でハロウィンハロウィンって騒いでいたのを見た気がする


でも結局ハロウィンについてはわからない




「島にハロウィンはなかった?」


『うん、ハロウィンって?』


「もう、ほんとに可愛いわね!首をかしげないで、「ハロウィンって言うのはね、」





リリーは騒ぐジャスミンを無視してハロウィンについて教えてくれた


ああ、だからリタのクッキーの袋に書いてあるカボチャには顔がついてるのね





『Trick or Treat…
ふふ、楽しそうなイベント!』


「ホグワーツではハロウィンパーティーも行われるらしいから楽しみね!」


『うーん、じゃあ私もカラフルなカップケーキでも作ろうかなあ…』





お菓子は余分に用意しておかなくちゃ、
万が一なくなってジェームズにイタズラされちゃたまらない




***





『みんな、起きて!Trick or Treat!』



誰よりも早く起きて大声で叫んだ

いつもはまだベッドの中で夢を見てる時間だけれど今日の私はいつもと違う。




「サラ…よっぽど楽しみだったのね」


「…もう少し寝かせてちょうだい」




『リリー、Trick or Treat!』


「はい、パンプキンのケーキ」


『わあ、ありがとう!
じゃあ私も…、カップケーキよ』



リリーから貰ったパンプキンのケーキを大切に置いて、残りの2人のベッドへとダイブする



『ジャスミンにリタも起きてよ!』



――――>――


談話室に降りるとそこはいつもよりも騒がしかった

いつも通り本を読んでいるベラの隣には大きめの紙袋



『ベラ、Trick or Treat!』


「あら、今日は随分早いのね?」


「サラったら昨日からハロウィンを楽しみにして今日は一番に起きたのよ?」


「私からは、魔法のチョコレート」


『ありがとう!はい、カップケーキ
んふふ、ハロウィンって幸せな日ね』





それにしてもジェームズたち…彼らのことだから朝一番にお菓子をねだってくると思ってたのに談話室には見当たらない
もう朝ごはんを食べに行ってるのかな?

そう思ったけど、彼らは大広間にも居なかった


―――――



『セブルス!』

「来るんじゃないかと思ってた」




セブルスはスっとチョコレートを差し出した




『まだなにも言ってない』

「どうせ一緒だろう」

『もうー、』



Trick or Treatって言うのも楽しみの一つなのに

でもイベント事にあまり興味が無さそうなセブルスがお菓子を用意してたことが意外だったなあ
見た感じはいつもと変わらないけど、意外と楽しいことが好きなのかも。




「リリーとは仲直りした?」




無言で頷くセブルスにほっとした
リリーとセブルスが気まずいままなんて嫌だもん


――――――



「結局ポッター達には会ったの?」


『ううん、会わなかった
でもあの人達がこんな日に騒がないなんてありえないでしょ?きっとなにか仕掛けてくると思うよ』




その予感は大当たり、パーティーでパンプキンパイをたらふく食べて談話室に戻ると

4人は寮にいたずらグッズを仕掛けていたみたいで談話室は大騒ぎだった

そこらじゅうで花火が爆発してるし、変な出来物ができて大騒ぎしている生徒もいる
あー…さては机の上にあった可愛らしい丸文字で"EAT ME"と書かれた怪しげなお菓子を食べたな…


食べなくてよかった、と心底ほっとしていると後ろから肩を叩かれた
この騒ぎの主犯格、ジェームズだ




「サラ!Trick or Treat!」


『どうぞ、私もTrick or Treat!』


「ちぇ、用意してたのかよ
せっかく楽しいイタズラを考えたのに!」


『もちろん、あなたに悪戯されるなんてごめんだもん
これ4つ入ってるから、あなたの親友3人にも渡して置いて』


「直接渡せばいいのに」




そう言いつつも受け取ってくれる




『シリウスはこの前のセブルスの件でまだ睨まれるし、ルーピンとぺティグリューとは私あまり話したことがないもん気まずいでしょう?
よろしくね』


「しょうがない、サラの滅多にない頼み事だから引き受けようじゃないか!」





ジェームズから貰ったのはクッキーだ。
既製品っぽいから食べても大丈夫…だよね?




「来年は夕食の大広間で暴れようぜ相棒!」


「流石いいアイディアだよ、相棒!」




肩を抱き合ってもう来年の計画を寝る二人はルーピンとぺティグリューを呼んで4人で広間に向かっていった
どうやら今からお菓子を食べに行くらしい


この寮内の騒ぎはすぐに広まって4人がイタズラ仕掛け人としてまた有名になった。


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