「白鳥くんってさ、私の彼氏、なんだよね…?」

突然何を言い出したのかと思った。目の前で、俺の大好きな彼女が、名前が何か言いにくそうにしていたので促したら、冒頭の台詞が出てきた。顔を赤くしてるコイツもかわいいけど、なんというか、その小さくてかわいらしい口から、彼氏、すっごい良い響き!

「当たり前だろ!お前の彼氏は俺だあああああ!」
「えっわっ叫ばないでいいから!恥ずかしいから!」
「ハッ!なんでいきなりそんなこと聞くんだ!?もしかして好きなやつが出来…」
「違う!違うってば」

尚も落ち込む俺を、精一杯励ましながら否定する名前がかわいくて仕方ないけれど、男ばかりどこか何故かモテモテ野郎ばかりの俺の周囲、少なからず可能性は捨てきれないわけで、立ち直れない。そんな俺に、私が好きなのは白鳥くんだけだよ、ってさ、かわいい!かわいいだろ!かわいすぎるだろ!俺の彼女!んー彼女って良い響き!後で犬飼と小熊に思いっきり惚気てやるう!

「白鳥くんってさ、つ、月子ちゃんのことが、す、好きなのかなー…みたいな…」
「…Why?」
「月子ちゃんとは弓道部で一緒でよく楽しそうに話してるし、白鳥は絶対夜久に気が合ったな、って犬飼くんが…」
「…」

犬飼コノヤロー後で絶対絞める!そりゃ俺も健全な男子だから夜久に目移りすることもあった。けど、コイツに出会ってからはコイツ一筋で生きてきたのに、理不尽だ。犬飼とついでに小熊も後で確実に絞める。俺の無言を肯定と受け取ったらしい彼女が泣きはじめた、これは非常にまずい。

「泣くなよ〜…俺は名前に出会ってから名前しか見えてなかったこと、これからもそうであることをここに誓います!」
「白鳥くん…!よかった、私無理に付き合わせてるんじゃないかって不安だった、もしかしたら付き合ってる気になってるだけだったらとか、私も、白鳥くんしか見えてないよ!」
「ぐぬ!か、かわいすぎるう!抱きしめてもいいですか!」
「…そういうのは、言わないでやりたい時にやって。白鳥くんなら良い…」
「ガーッ!かわいすぎるにも程がある!名前のことが大好きだー!愛してる!」

白鳥弥彦、精一杯、抱きしめさせていただきます!

「そろそろ離して…恥ずかしいよ」
「名前で呼んでくれるまでは、ダメだ」
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