不知火一樹1

「これは、非常にやばい…」

幼なじみが作る料理がおいしすぎて最近はついつい食べすぎてしまっていたということに気付いてはいた。また別の幼なじみと張り合って食べたのがまずかった。またまた別の幼なじみが食べても食べても美脚をキープしていたからつい油断していた。
体重が、3kgも増えた。

「こんにちは名前ちゃん」
「誉先輩こんにちは…ちょっと弓道体験させてもらえませんかね」
「うん、勿論いいよ。でも運動嫌いな名前ちゃんがどうして?」
「お恥ずかしながら…」

お腹を押さえて言えば誉先輩は察してくれたのかこのままでも全然痩せてるのにと言ってくださった。相変わらず癒し系神様な誉先輩に私は涙するしくしくえぐえぐ好きですよ先輩。夜久さん、と誉先輩が呼べば先程噂した美脚キープな幼なじみの月子が来た。名前どうしたの、ダイエット、錫也のご飯だ…おっしゃる通りでございますよ。
女神月子についていって弓を借りた。弓道は初体験なので若干楽しみである。運動は嫌いだけど忌ま忌ましい体育の教材にならないような競技には興味がわくのです。

「誉いるか?」
「あっ一樹いらっしゃい。どうしたの?」
「いや名前が見当たらないんだが…」

会長名前ならここに、と言いかける月子の口を押さえ制す。ごめんねちょっと不知火には会いたくないんだごめんね月子。彼氏に会いたくないなんて、って、かかか彼氏じゃないから!不知火は彼氏なんかじゃないからね!

「こんなところに居たのか」
「ホワァ!!」
「生徒会室行くぞ」
「!やっやだ!そもそも私生徒会役員じゃないし!ぜったい行かない!」
「お前が生徒会に入れば済む話だ!ほら行くぞ!」
「やー!ぜったい行かないってば!ていうか近寄らないでそれ以上こっち来ないでこっち見ないで」
「流石の俺でも傷つくな…無理矢理にでも連れていく」
「!?」

そうして、不知火の手が私にむかって伸びてきて、伸びてきて…、ギャー!お腹!太ったお腹触られた!触られてる…触られ…「名前…お前…」…!

「不知火の馬鹿ー!!」
「なっ!いきなりなんだ」
「今、太ったとか、思ったでしょ…!」
「?思ってない」
「え…じゃあ、何」
「いや、」

そういえばお前の部屋の体重計、3kgずれてたの思い出して。


フリーズ




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