水嶋郁1

「いやー保健室は落ち着くわー」
「言っておくが、保健室はお前の茶室じゃないからな」
「分かってますとも休みなんだからいーじゃない」

でも私の美味しいお茶が飲めて琥太郎先生も幸せでしょ?と言えばまあなと笑む保健医。夜久の茶はまずいからな、夜久さん…。私と琥太郎先生の優雅なティータイム、静かな保健室にかわいい小鳥の囀り。このままこの時間が続けばいいな、なんて思ったりして。あったかいお茶にあったかい琥太郎先生、今私は端から見れば幸せ者だ。

「…!やっと見つけた、」

ドタバタと保健室の扉が開けられる。私が端から見なければ幸せではない理由の大半をしめている人物、水嶋郁が入ってきた。久しぶり名前、ああお久しぶりです大学生、…なんでそんなそっけないの、別に。顔を見合わせすぐに喧嘩腰の私に琥太郎先生が苦笑したのが横目で見えた。琥太郎先生が水嶋先生のお茶を煎れ、少し席を外すと言って保健室を出ていってしまった。私の楽しいティータイムが…、思わず目の前へと腰をおろした人物を睨んだ。

「私の楽しい時間を破壊してまで何かご用でしょうかねえ」
「…ねえ怒りたいのはこっちだよ。分かってるでしょ」
「わかりませんわかりません。なんせもう10代も後半ですからね歳です」
「9日」
「個々の蚊?」
「…」

無言でこちらを睨んでくる水嶋先生。言いたいことは大体は分かってはいる、9日というのは彼の誕生日できっとそれ関連だ。個々の蚊なんて発音よく思いついたなと内心自嘲してみる。そういえば毎日会っていたけれどもう3日も会っていなかったのか。

「9日は何してたの?」
「まあ学校振替休日だったし?普通に引きこもりしてましたよね、ああ久しぶりにお父さんと一緒見ました。あとブックフックロー」
「…餓鬼」
「あァ?喧嘩うっとんのか?」
「それはこっちの台詞だよ」

もう一度聞くよ名前、9日は何してたの?9日ねえ。確かに私はお父さんと一緒は見ていない。見たのはブックフックローだけだ。実のところ9日は東月くんと七海くんと土萌くんと弓道部−夜久さんで生徒会におしかけお茶会をしていた。東月くんのクッキーと青空くんの持ってたおはぎがとても美味しかった。

「でも私のお陰で夜久さんと2人きりになれたんじゃないですか?」
「は」
「私知ってますよー水嶋先生の本命が夜久さんだって」
「違、」
「ささやかながら私からのプレゼントでした。受け取ってもらえた?」
「…名前を探してたら1日終わってたけど」
「…」
「…」
「無駄にしやがってこのもじゃ野郎」
「こっちの台詞この勘違い娘」

はあ、とため息をつく水嶋先生。私のどこが勘違いなのか失礼しちゃうわ、なんて思ってたらいつのまにか私が座ってるソファーの隣に移動していた。瞬間移動?高速移動?そういうのよくないと思う超次元か…って近いわ!…ちゅっ

「!?」
「誕生日は、君に告白して、ずっと一緒に居ようと思ってた」
「…つ、付き合うは決定ですか」
「勿論」

両想いとは、おおお思わなんだ。

「誕生日、おめでとうございます…」
「よろしくね、名前ちゃん?」


HAPPY BIRTHDAY 水嶋郁!




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