10

「あっあっ、ん、いくっ、ふぁっあっ!」
「ん、シュウ!」

びゅる、

周平が絶頂に達する。放たれた精液は大分薄くてシーツに吸われてシミになった。何度もこうやって精を放った証拠だ。

「はぁっ、シュウっ、顔にかけるぞっ」

びちゅ、と智樹は周平から己を抜き、周平の顔に精子をかけた。こちらも大分薄いが、まだ粘度はある。唇に塗りたくられた精液を、周平はぴちゃぴちゃと舐めとった。

「ん、せーし、おいひい……」

がらん。
草平は傘を取り落とし、力なく床に崩れ落ちた。

「さて、次は俺の番」

那智はそういうとベッドに上がろうとする。草平は那智の足を掴み、弱々しく訴えた。

「あ……あ……な、那智……智樹……や、やめてくれ、たのむから……」
「なんで? 父さんだっていままで散々シュウくんを抱いたんでしょ?」
「そ、それはっ……だが、こんな……こんな無理やりなんてしていないっ! 周平っ、周平が苦しんでる! おまえたちは叔父さんを苦しめて楽しんでるのか?!」
「……楽しい?」

ぎし。と智樹がベッドから降りてくる。

「親父、俺たちがなんにも考えずにシュウをレイプしたと思ってるのか? 俺たちだって悩んだ、苦しんだ! 散々迷って迷って、頭おかしくなりそうだ! いや、おかしくなったんだ!」
「元はと言えば父さんのせいだよ。父さんがシュウくんとこんなことしてたから。もし父さんとシュウくんがこんな関係じゃなければ、俺たちはシュウくんへの想いを抑え込めたかもしれなかったのに!」
「っ……! う、あっ……ちが、そんな……だが……」

ずっと、ずっと、好きだったんだ。
ずっと、ずっと、こうしたかった。

物心ついたころから側にいてくれたシュウ。
毎日毎日、嫌な顔ひとつせずに面倒を見てくれたシュウくん。
好きになって悪いか?
好きになって悪いの?

なあ、親父。
ねえ、父さん。

「あっ、あっ……ゆ、ゆるして……ゆるしてくれ……お、おれの、せい……おれのせいなんだ……」

草平は罪悪の涙をボロボロ零し、俯いた。双子たちはそんな父親を見下ろして、泣き出しそうな、憎々しいような、愛おしそうな、複雑な表情だった。




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