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「あっあっあっ……んんっ、や、むり……ふぁ、た、すけ……んんっ」

ぎし、ぎっぎっ、ぎし……

階段を上がるにつれベッドスプリングの音は高まり、誰かの嬌声が混じった。何度も聞いた、この声は……!

「っ……!」

草平は慎重さをかなぐり捨て、どすどすと階段を駆け上がる。
周平の部屋のドアが微かに開き、そこから真っ暗な廊下へ黄色い光が溢れこんでいた。その光はサイドランプの色だ。

「あぅっ、や、あっあっ、ん、ふぅ、ぁう……」

草平は、乱暴に、ドアを開いた。

「あ、おかえり父さん」
「……」

周平の部屋には、双子の息子たちと、弟がいた。他には誰もいない、家族の姿だけ。けれど草平は、泥棒でもいてくれた方が良かったと心底思った。

「あっあっ、ひっ、んんん!」

サイドランプだけが煌々と輝く薄暗い部屋。

双子の息子はどちらも半裸で、辛うじてシャツを着ているだけ。
ベッドの上には全裸に剥かれ、両手を梱包用ビニール紐で縛られ、アイマスクをした、弟の周平が横たわっていた。

「なっ……なんだ……なんなんだこれは!」

周平は全身にぬるぬるとした液体を帯びていた。ローションと唾液と精液の混じった、生臭くて妙に甘い匂いが鼻に着く。
その膝を抱えるのは大柄な智樹だ。腰を押し付け、勃起した男根を周平にあてがっている。

「あっあっ、や、んんん、とも、きぃっ」

ずぷ、ずぷ、ずぷ……

智樹の男根を孔に穿たれ、周平はぶるりと震えてわなないた。

「や、やめろ! 自分がなにをしてるかわかって……!」
「ストップ、父さん」

父親の存在など意にも返さないで行為を続けようとした智樹に激昂した草平を、那智が割り込んで留める。

「那智っ、どけ!」
「ダメだよ、ちゃんと回数決めてるんだから」
「か、いすう……だと?」
「うん。今は俺が七回に智樹が八回目。次は俺の番」

なにを言っているんだ、この息子は。
草平は部屋にむせ返る男の匂いに急激に酸欠を覚えてくらくらした。
訳がわからない、ゆめか? これは悪酔いした幻覚なのか?

「あっあっんんん、ひぁ、と、もきぃっ、んん、ちんちんいいっ、はぁっ、もっ、とぉ! あっ、そこ、そこすきぃ!」
「はぁっ、はあっ、シュウ! はぁっ、周平、かわいい、周平っ、シュウっ!」

ぱん、ぱん、ぱん!
ずぷ、じゅぷ、ぐぶぷっ、

「見てよ父さん。シュウくん、今日一日中俺たちとSEXしてたせいか、目隠ししててもアナルにおちんちん挿入されるだけで俺たちの区別がつくようになんだったんだ」
「っ……」
「最初は凄い抵抗されたけど、今はシュウくんも悦んでるし、いいよね? ……ねえ父さん」

那智は草平の顔を覗き込む。顔は笑っているが、目はちっとも笑っていない。

「お、おまえたち……周平は、お前たちの叔父さんだぞ? こ、こんなことして……」
「それってブーメランだね。父さんとシュウくんも兄弟じゃないか。……いつからこんな関係になったの?」

那智はベッドサイドに置かれていたスマホを手に取ると、写メを草平に見せつけた。

「…………」

目を反らせない、動かぬ証拠。
周平と草平の行為。裸のまぐわい。兄弟の禁断の交わりが、克明に写し出されている。




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