7
「……う、嘘……だろ?」
周平は現実から目を背けるように、ふるふると首を振った。双子の目が、じっと自分を見つめている。
怖い。
今朝の、あの平凡な日常が、根本から覆されていくようで。
「シュウくん。昨日も父さんに抱かれてたね。見てたんだよ俺たち、気づかなかった?」
やめてくれ。
「シュウ……俺たち、本当にシュウのことが好きなんだ。……血縁なんて、関係ない。だって、他ならぬ親父がそうしているんだから」
頼むから、やめてくれ。
「シュウくん、もう逃げられないよ」
う……あ…
「シュウ……好きだ。好きだ……好きだ!」
やめろやめろやめてくれごめんなさいゆるしてくれおれがわるかったんだゆるして……
「さ、はじめよっか」
「シュウも気持ちよくなれるよう、頑張るからな」
双子は周平にとって死刑宣告に等しい言葉を告げると、その若々しい手を伸ばし、周平の身体を暴き始めた。
那智がカッターナイフを操り、びりり、と周平のシャツを裂く。
剥き出しになった周平の身体。中肉の、ごく普通の三十路の肉体だが、胸やヘソには赤い痕が点々と残っている。
「うわ、父さんこんなに痕つけて……」
「シュウ、俺も痕つけたい。もうシュウは親父だけのものじゃない」
双子は息を呑むと、周平の身体に唇を寄せた。舌が肌を這い回り、時折キツく唇で吸い付いて赤い痕を残していく。
ちくちくとした、甘く恐ろしい痛みに、周平は泣き喚く。
「ひっ……や、やめろ……やだ……っあ、あぅっ」
ちゅ、ちゅる……がり、ちゅぱ、かり……
唇では飽き足らず、歯型まで刻み込む双子。周平は喉を震わせて必死で願った。
「おねがい……だ……よせ……ぅあっ……ん……っ……汚いから……おれなんかと……こんなこと……」
「シュウくんは汚くなんかないよ。父さんの痕ばっかなのは気に入らないけど、俺たちので上書きするから」
「シュウ……もっと声聞かせて、シュウの声……すげえ唆る……」
双子の手が周平のズボンにかかる。
ぱちん、とボタンが外れ、ジッパーが躊躇い無く引き下げられた。
寛げられたズボンの中に双子の手が入り込む。下着越しに性器を撫で回され、周平は羞恥と背徳に溺れた。
「っああ! や、そこはだめだっ……んぅっ、んん! なちぃっ……乳首はだめだっああっ!」
ズボンが足から抜けて、周平は下着一枚に剥かれる。
那智は周平の乳首に吸い付き、ちゅぱちゅぱと湿った音を立てていた。時折ワザとらしく周平に見えるようにべろりと舌を伸ばして先端を責めてくる。
智樹は周平の下着の上から舌を這わせ、布越しに性器を舐めた。
じゅちゅっ、じゅぱっ……なんともいえない、くぐもった音。
「んぅ……あく……智樹、ともきやめろ! あふ……あっ……うぅ……」
布越しの舌の感触はもどかしくて、けれど確実に周平の雄を刺激した。いつしか周平のそれは下着の内側から勃ち上がり、先端から溢れる先走りと智樹の唾液が混じって下着を鵐に濡らしていた。
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