大罪1

「ん、あ、あ、あぅっ……」

ずちゅ、ずぷ、じゅぷ……
ぎ、ぎ、ぎ……

ベッドのスプリングが律動に合わせて軋む。
暗い夜の中、窓から差し込む月明かりだけを頼りに混じり合うのは、二人の男。

「あふっ、ん……はぁ、っ……」
「ん、ん、はあ……」

玉のように汗をかきながら、二人はドロドロになって重なり続ける。
嬌声をかみ殺すように唇をあわせ、舌を結ばせ合う。
結合する下半身は卑猥な水音を立て、何度となく精を吐き出していた。

「あ、あにきぃ……はあ、も、もうだめっ……だ……んんっ」
「はあ……ん、わかった……じゃ、ラストスパート……な?」
「あ、うぅ……んん! はぁ、あ、いくっ、っあ、あ!」
「かわいいな、周平……」
「ん、んぁあ! でるぅっ」

男たちはキツく抱き締め合うと、一際スプリングをかき鳴らして深々と混じり合い、果てた。

二人は気づかない。
部屋の外、ドアの隙間から息を殺して伺っている、二対の瞳に。
二人は気づかない。
今この瞬間に、この家の在り方が変わっていくことを。





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