大罪1
「ん、あ、あ、あぅっ……」
ずちゅ、ずぷ、じゅぷ……
ぎ、ぎ、ぎ……
ベッドのスプリングが律動に合わせて軋む。
暗い夜の中、窓から差し込む月明かりだけを頼りに混じり合うのは、二人の男。
「あふっ、ん……はぁ、っ……」
「ん、ん、はあ……」
玉のように汗をかきながら、二人はドロドロになって重なり続ける。
嬌声をかみ殺すように唇をあわせ、舌を結ばせ合う。
結合する下半身は卑猥な水音を立て、何度となく精を吐き出していた。
「あ、あにきぃ……はあ、も、もうだめっ……だ……んんっ」
「はあ……ん、わかった……じゃ、ラストスパート……な?」
「あ、うぅ……んん! はぁ、あ、いくっ、っあ、あ!」
「かわいいな、周平……」
「ん、んぁあ! でるぅっ」
男たちはキツく抱き締め合うと、一際スプリングをかき鳴らして深々と混じり合い、果てた。
二人は気づかない。
部屋の外、ドアの隙間から息を殺して伺っている、二対の瞳に。
二人は気づかない。
今この瞬間に、この家の在り方が変わっていくことを。
[ 60/95 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]