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「な、なな何で裸なんだよ!」
「んなもん、お前を躾るために決まってんだろ」
「し、躾!? ひっ、や、やだ……っ、お、犯されるっ……!」

怪人は、実はまだまだ若い。組織の怪人の大半は攫われた民間人が改造されたものだが、彼も例外ではなかった。
彼はこの身体に成る前は、普通の高校生だった。まだ恋も実らせていない、少し奥手で初心な少年である。勿論、SEXなんてもってのほかだ。

「やだ、た、たすけてくれっ! 許してくれよおっ! 俺だって普通に生きてたかったんだよぉ……」

元の身体に戻るためには、組織のために働かなくてはならない。彼は今回が初めての悪行であった。

ブルーは意地悪な笑みを浮かべ、タバコを灰皿に押し付けると怪人の体の上に跨った。
怪人の獣耳に唇を近づけて、囁く。

「勘違いするな……お前が、俺を、犯すんだよ」

むちゅ、とブルーの唇が怪人の唇と重なり合う。熱い舌が怪人の口内を遠慮なく蹂躙し、犬歯の根元から上顎や舌の付け根まで存分に舐めまわされる。
噛み付いてやろうと思えば出来た。だが、あまりに唐突だったことと、その舌の動きが怪人の思考を翻弄するため、抵抗すること自体が思いつかなかった。

ちゅ、ちゅぷ、くちゅ、ん、ちゅる……

「ふぁ……あっ……はぁ、はぁ……」
「ん。なんだ、キスは初めてか?」

ブルーは怪人の鼻先で囁く。

「な、なんでこんな……」
「趣味」

全く迷う事なくブルーは言う。

「俺さぁ、犬が好きなんだよ。躾たら忠実だし、飼い主には絶対服従だし、可愛いだろう? お前は俺の好みにドンピシャなんだよ。……さて、それじゃ、愉しませろよ?」





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