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産まれた病院、産まれた日付けが同じだったことが、俺たちの縁の始まりだった。
同じ地元に住み、同じ保育園に通い、小中高と同じ学校に通った。

腐れ縁だった。何をするにも一緒。殆ど半身のような存在、存在して当たり前のもの。


「はぁ……ん、リュウ、いまなんか変なこと考えてないっ?」

ずっ、ぐちゅ、ぐぷ。
シバの陰茎が俺の奥に突き刺さる。俺は回想の海から引き上げられ、一気に快感にわなないた。

「ふぁっんっ……シバ……っぁ、はぁ……」
「リュウ……リュウは、っはぁ、今日だけは俺のだから。はぁ、俺のことだけ考えて……お願いだ」

わかってる。
今日だけは俺はお前のもんだ。
他のことなんか、考えてないよ、最初から。


リュウが好きだと自覚したのは、高校卒業直前のころ。
シバは、卒業したら隣の県へ進学する予定だった。俺は地元の大学へ進む予定だったので、ここで初めて俺たちの道は別れた。

「……リュウ。お前ともついにお別れだな。ふは、腐れ縁が切れてせいせいするな?」
「そうだな。……シバ、お前さ、その……たまには連絡寄越せよ」
「なんだよ、湿っぽいなぁ、らしくないぞ? ……うん、でもまぁ、たまには手紙書くよ。お前も返事出せよ?」
「ああ。……なぁ、シバ」
「ん?」
「お、俺さ。お前のこと……まあ、うん、あれだ。そこそこ気に入ってた」
「ぷ。なんだよそれ〜、そこはお世辞の一つでも言っとけよ〜。俺はお前のこと、好きだよ」

お前の好きと、俺の好きは、多分あの時は意味が違ったんだろうな。

あの頃はケータイなんて無かったし、俺たちの連絡手段は手紙だったっけ。
シバ、結局お前に手紙を書くことはなかったな。

卒業して、バラバラに暮らし始めた俺たち。でも、お前は数ヶ月で地元に帰ってきた。……遺体となって。



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