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私はローションを継ぎ足されながら執拗に後ろを解され、何時しか痛みではなく別の感覚を覚え始めた。

「はぁっ…ん……んぅ……っ」
「ちょっと色っぽくなってきたな。巴、お尻の孔、気持ちいい?」

ブンブンと首を横に振る。絆される訳にはいかない。

「ちぇっ。ま、いいさ。まだまだ本番もあるし」
「坊ちゃん……どうして、こんなことを?」
「だから、さっきから言ってるだろ? 巴が好きなんだよ。ガキのころからずっとな。……俺だってな、悩んだし、諦めようとも思ったさ」

坊ちゃんが私から指を引き抜き、唇を私の耳元に寄せた。

「男同士だし、年の差だってある。お前は俺のこと、唯の雇用者の子供としか見てないってわかってた」
「そんなこと、ありませんよ。私は坊ちゃんのこと……」
「それ以上言ったらキスするからな」

私は口を噤む。

「……もし、お前が結婚でもしたら、俺は諦めたよ。実際に一度、お前が結婚するかもってこと、あったよな?」
「……あれは」
「あのとき、お前大事なデートすっぽかして俺の看病しただろ? 確かインフルだったかな。バカなやつ、女より赤の他人のガキの面倒見て、結果振られてやがった。……そん時、もう誤魔化せなくなった。巴に惚れてたんだ、自覚したよ」
「……」
「俺、18まで待った。少しは大人になれたか? 巴と吊り合うか? 巴は、俺のこと、好きになってくれないか……?」

ああ、なんて事だ。
ずっと子供だと思っていた。大人び初めても、心の何処かでずっと坊ちゃんのままだと思い込んでいた。
彼は……もう大人の顔をしている。まだまだ未熟だが、それでももう、子供ではない。

「……坊ちゃん。まず、返事の前にこれを解きなさい。話はそれからです」

私が強い語句で言うと、坊ちゃんはしおらしく頷きネクタイを解いた。
戒めが解けた私が最初にしたこと、それは坊ちゃんの頭を思い切り叩くことだった。

ごつん!

「いってぇええっ!?」
「坊ちゃん、合意のないSEXは強姦です。決して犯してはならない人間としての規範です。その痛みとともにしっかり心に刻み込んでくださいませ」






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