6

「そうか。……ならば試してみるか」

試す? 何を?
なんだろ、嫌な予感がする。逃げたい、でも出られないんだよな、この神社から……。

神様が立ち上がる。デカイ、ちょっ、すごい迫力。2メートルあるかもしれない。神様、なんでそんなマッチョなの? あ、俺の願望だからか……はは、やっちまったぜ……死にたい。

「あ、あの神様…俺そろそろ帰りたいなぁ、なんて……」
「すぐに済む」

だから何が?!

俺の叫びは吸い取られて消え失せた。
ぐいっ、と身体を抱き締められ、そのまま唇が重なった。

うおぁっ?! なんだこれ、俺チューされてるぅっ!!

「んーーっ! んっ、んんむんーーっ」

腕でどんどん叩いても神様はビクともしない。
ぬるり、と舌が入ってくる。やめ、マジで助けて怖いキモい苦しい。

ちゅる、にゅぷ、ちゅる……

うわ、音が凄い。キスってやらしー気持ちになるな、相手が女なら最高なのに。

「ん……っ、むぅ、ん……」

なんか、ボーッとしてきた。ふわふわする、身体の芯が熱い。真冬の炬燵の中みたいな感じだ。
ちゅる、と神様の舌が離れていく。っぅ、と透明な糸が俺と神様を名残惜しげに繋いでいた。

「ふん、やはり感じているではないか」

いや、だから俺は女が……。

「勃っているぞ」

これは……不可抗力だ。




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