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目が覚めたらすっかり雨は上がっていた。
あ、ヤバい今日10時から出ないと単位に関わるヤツがある……!

慌てて跳ね起き、そして何時もと様子が違うことに気付いた。

ここどこだ?

「……あー、そうだった。マスターの家に泊まったんだ」

俺はやたらフカフカで大きいマスターのベッドに寝転がり、昨日の情事を思い起こした。
凄かったな、あれ。尻ってあんな感じるのか、てっきりもっと痛いのかと思ってた。それとも素質があったんかね。

マスターの姿は部屋に無い。多分下で開店の準備をしてるんだろうな。
取り敢えず俺はダラダラしたい欲望を気合いで払いのけ、マスターが畳んで置いてくれた着替えを着て店に降りた。

「智哉くん、おはよう」
「……お、おはようございます」

マスターは相変わらずの渋い感じだ。珈琲の匂いもちゃんとする。でも少しだけ若いような気が……あ、肌のツヤが!?

「智哉くん、その、腰は大丈夫かい」
「え、あー、ちょっと違和感あるくらいで問題無いっすけど……。あの、マスター」

取り敢えず、俺はこの言葉をマスターに言わなければならない。
深呼吸して、すーはーすーはー、よし言うぞ。

「マスター、あの……今日からよろしくお願いします」

マスターは嬉しそうに顔を綻ばせて、モーニングプレートを俺に差し出した。

「こちらこそ、よろしくね」

ちゅっ、とキスのオマケつき。
やめてよマスター、まだ俺、歯磨きしてないんだから。






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