7
「ぅ……?」
新造はベッドの上で目を覚ます。
体は綺麗に清められていて、 部屋の空気も入れ替えられている。
けれど、孔にはまだ巨根を咥えこんでいた異物感が残っていて、あの行為が夢ではないと告げている。
新造は頭を抱えた。あんなにも乱れて、歳下の男に抱かれてしまった。
恥ずかしくて死にそうだ。だがそんなきもちとは裏腹に、肩こりは解れ腰や膝も軽い。マッサージとしての効能は確かなものだった。
「あ、目が覚めましたか」
奥から店長がコップを持って現れる。差し出された水を店長から目をそらしつつ受け取り、渇いた喉に一気に煽った。
「はぁ……て、店長。その、さっきのことは」
「もちろん口外しませんよ。安心してください」
店長はそう苦笑してから、新造にカードを差し出した。
受け取り、しげしげと眺める。
「これは」
「うちの会員証です。今度からはそれをお持ちください」
新造は思わず顔を上げて店長を見た。にっこりとハンサムな笑顔を返される。
また、来いって? あんな恥ずかしいことをするために?
新造は顔を真っ赤にしながら、あたふたと立ち上がった。
「か、帰るっ。私の服はどこに?」
「そちらの籠に……あ、シャワー浴びていかれますか? 一応拭いたのですが」
「け、結構だ!」
慌ただしく新造はマッサージ店から飛び出した。
昼間に入ったのだが、空はすっかり茜色に染まっていた。長いこと眠っていたようだ。
新造は握ったままの会員証を暫く眺めた後、それを結局ポケットに入れた。
捨てられなかったーーまた、行きたいと、思ってしまった。
目を閉じれば、店長のゴツゴツとした手が体を弄る感触が蘇る。
ああ、ハマってしまうきもちもわかる……これは、病みつきになってしまいそうだ。
終
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