1 エロコン


@立ち読み

ある郊外の僻地に、ぽつんとコンビニが佇んでいる。
昼間は普通のコンビニ、だが、この店は夜になると雰囲気を一変させる。


なにも知らない男が、真夜中にぶらりと訪れた。最近この辺りへ越してきたばかりの若い男は、小腹を空かせていた。

店内へ入ると、男とさほど変わらない年頃の店員がモップをかけていた。気にせずそれを跨ぎ、ひとまず本のコーナーへ。
コンビニへ来るとなぜか少し立ち読みがしたくなるものだ。なんとなしに見かけたエロ漫画を手に取り、パラパラ捲る。


先ほどの若い店員はモップを片付け、カウンターの奥にあるシンクで手を洗っていた。

暫くの間、コンビニの中には男がエロ漫画を捲る音と、什器の振動音だけが響いていた。この店は音楽やラジオは流さないようだ。

エロ漫画を読めば、あるところが熱くなる。男はジーンズに包まれたアレが軽く立ち上がるのを感じ、そろそろ読むのをやめようとした。流石にこんなところで完勃ちさせたくない。

ふと、店員が直ぐそばに立っていることに気づいた。立ち読みの牽制にでも来たのだろうか。

「お客様、お手伝いいたしましょうか?」
「は? なんの?」

きょとん、と男が目を丸める。店員はくすりと笑うと、迷わず男のジーンズに手を伸ばした。
つつつ、と長い指先が男の股間を撫で回す。

「ちょっ」
「こんなに硬くしてしまっては、お辛いでしょう?」

ぺろり、店員が唇を舐める。唾液で濡れたその唇が、やけに淫靡な怪しさを放っていた。




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