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「緊張していますね、マッサージは初めてですか?」
「あ、ああ……」
「リラックスしてください。あ、そうだ、これをどうぞ」

手渡されたのはアイマスク。視覚を断てば少しは気も紛れるということか。
新造はアイマスクをつけ、店長の指示通りうつ伏せに寝転がった。

「それじゃ、始めますね。まずは肩から腰までオイルでほぐします」

ぱら、と施術衣が剥がされる。
ぽたりと粘性の液体が新造の背に降ってきた。一瞬びくりと震えたが、店長はなにも言わなかった。

「リラックスしてくださいね」

ゆっくり、店長の手が肩を撫でていく。ゴツゴツしていて大きな手のひらだった。

「う……んん……」
「だいぶ肩凝ってますね。お仕事では座りっぱなしでしょう?」
「ああ、朝から晩までパソコンとにらめっこ……ぁ……ん」

オイルが店長の手によって広がり、カサついた新造の肌に滑らかに潤いを与える。
肌を滑るかのような店長の指は適度に強い力で新造の肩を揉みほぐしていく。気持ちいい、体の底から熱が湧き上がってくるようだ。思わず声も漏れてしまう。

「ぅあ……はぁ……んっ」
「我慢せずに声出して結構ですよ。……此処には僕とあなたしかいませんから」

ぐり、店長の親指がツボをつく。グググと深くまで押し込まれ、新造はエビ反りに体をしならせた。

「ふぁ、おお……はぁ」
「ここ、気持ちいいでしょう? もっとほぐしてあげますね」



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