※無駄に長いし侘助最後の13行ぐらいしか出てない、
しかも一言しか喋ってない、これなんなの?作品。
あ、あと侘助がヘタレ
それでもいいよの方は下にスクロール↓









去年、栄おばあちゃんが死んだ。
忙しかったけどなんとかお祝いに行けるはずだったのにOZでのたくさんのトラブルに見舞われ、栄おばあちゃんが死んだ日も誕生日も葬式も行けなかった。

忙しい中、テレビに久しい顔を見た。
陣内侘助、本家の養子、私の十年前いきなり消えた元婚約者、そしてOZを大混乱に巻き込んだラブマシーンの開発者。
正直殺してやろうかと思った。勝手に山売って、アメリカ行って、栄おばあちゃんがどれだけあんたを心配したと思ってんだ。そして、挙げ句の果てに栄おばあちゃんを殺したなんて。

電話越しで万里子おばさんにそう言ったら物凄く怒られた。
なんで、万里子おばさん許しちゃってんですか、ってぼろ泣きしながらキレたら次々相手が変わってみんな私を宥めた。

どうして、どうして、みんな侘助の肩持つのよ。私の疑問にみんなは同じ答えを返してきた。

「とりあえず帰ってきなさい」

夏のあといくらでも行ける機会があった。上司にも同僚にも後輩にも帰省を勧められたけど、私は頑として聞き入れなかった。

くだらない、意固地になったりして。
これは私の悪い癖だ。自分の考えや主張が他人に認められないと、拗ねて怒っていつも親戚を困らせてた。自分の中で怒りが収まっても意地っ張りだったから、そのあとなかなか親戚の和に入れなかった。

そんな時、いつも助け船を出してくれたのは栄おばあちゃん。私が和に入りやすいように、隣を空けてくれて、そっと手招きしてくれた。

私は今まさにその手を待っているに違いない。でも栄おばあちゃんはもういない。

自分から行かなきゃいけない、私は1年かけて自分の意地っ張りな殼を破り、今、陣内家の門の前に立っている。

うーん、近くに衛星が墜落して、ぐちゃぐちゃになったと聞いたけど見たところ綺麗だ。一年で変わるもんだな。

「**おばさん?」
「ぅあ!」

いきなり声をかけられて、変な声が出た。恥ずかしい。振り向くと、私のかわいいかわいい親戚の夏希と、見知らぬ少年が立っていた。

「良かった!帰ってきたんだね!あ、こちらは私の婚約者の小磯健二くん」
「ど、どうも」

帰ってきたんだね、の言葉に苦笑いする。こんな年の離れた子にも心配されてたなんて。というか、婚約者…?

「えええ、マジで!?私を越しちゃうの!?」
「越しちゃうのって**おばさんにもちゃんと同い年のがいるでしょ?」
「え、誰なんですか?理一さんとか?」

少年はスルーしてくれたらいいものを遠慮がちに尋ねた。まあその瞳の奥は好奇心でみちあふれ、っていうか理一とか、何故年バレた!やっぱり会社の連中の「年齢よりずいぶん若く見えるね」はフォローだったのね。分かってるけどさ!

「侘助おじさんだよ」
「へ、へえ」

少年は心なしか少し嬉しそうだ。ははーん、夏希の侘助大好き攻撃を目の当たりにしちゃって不安だったけど、婚約者が現れてほっとしたってとこかな。いやあ若いっていいね。

「あ、**おばさん墓参りしてきなよ」
「うん、そうする」

なんか家に入りずらいし、ちょうどいい。

「でも、さっきわむぐぐぐ」
はい、健二くん黙るーと夏希が後ろに鬼を出しながら、笑顔で少年の口を塞いだ。

「ほら、行って行って!」
「うん?」

少年の言いかけたことが気になりつつも墓へ向かう。

5分後、その意味が分かった。
私は墓の前に座って手を合わせてる元婚約者を一回ぶん殴ろうとしたけど、そいつの手が震えてて、ごめんって何回も呟いてるのに運悪く殴る寸前で気付いちゃったので、拳を止めた。そして隣に座ってわざと嫌味を言ってやった。

「謝るんだったら最初からそんなことしなきゃいいのに。そして日本に帰って来ても元婚約者には連絡なしですか」

侘助はもの凄く驚いて慌てて目の縁に溜まってた涙を拭いた。

「やーい泣き虫」

私はそういって侘助を抱き締めると、意外にも大人しくしていたのでこちらがびっくりだ。10年ってなんかいろいろすごいな。しばらくそうしていると、侘助が、一言「今まで悪かった」とかなんとか言ってぎゅーと抱き締め返してきた。

まだ怒りは収まらないけど、みんなが侘助を許した理由が理解できた気がしたので、夏希が呼びに来るまでずっとそうしていた。


意地っり同士で仲良くしまショ







全国の侘助ファン様ごめんなさい
皆様のこの文に対する苦情は絶賛受付中です
本当ごめんなさい…
後悔はしてません

侘助が背中丸めてぎゅーと抱きついているシーンがおいしいと思うのは私だけだよね
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