※戦争表現注意※「英国の方を1週間ほど、ですか」
「ああ、この事が軍に知れたらいよいよ私の命も危ないから内密に頼むよ。表向きにはそうだな、独国という事で」
私が住み込みで働いているお屋敷の旦那様はとても変わった人だった。若い頃はとても名の知れた物理学者だったいう。また、戦前は、今や敵国となっている国々と幅広い交流を持ち、ときたまに、様々な奇妙なものをひっそりと外国から持ち込んでいらっしゃった。魔術などというものも信じており、そういった著書が、溢れんばかりに書斎下にある本棚に詰め込まれていた。
周りに住む者からは、気の触れた老人とみなされ、皆はあまり積極的に誰も関わろうとはしなかったが、戦争が始まってからはそれがより一層顕著になってしまった。そして、尚も水面下では敵国の人々と交流を続けており、当の本人は「知られたらそれまでの命だ」といたって呑気なもので、こういった人だからこそ、私のような変わり者を雇ってくださっているのだけれど。
「しかし、どの様にして日本に来られるのですか?今の時代、敵国のお方が何の危険にも晒されず、とは無理なような気がしますが」
「いいや、大丈夫だ」
「とても自信がお有りなのですね」
「まあ会ってみれば分かること。君に世話を任せた理由を知りたいかね?」
「少しは、と言ったところですかね」
「君に似たもの、いいやそれ以上というべきかな。そう、あれは人智を超えた力の持ち主だ」
それは、と口を開く前に肩に手を置かれ、笑みをかけられる。レンズの奥にある瞳は穏やかな半月を描き、それは旦那様が決して気の触れたお方ではないことを証明していた。
「分かりました、ではその様に準備をしておきますね」
「頼んだよ。年も君と近い。きっと有意義な時間になるだろう」
・
・
・ そうしてあっという間に約束の日が来て、私は玄関先で訪問者を迎い入れる準備をしていた。車で来るのか、徒歩で来るのかなどは全く聞かされず、約束の時間にただ玄関で待っていればいいと言われたが、本当にそれでいいのだろうかと少し不安になる。訪問者は初めての日本だという。加えてこんなへんぴな所に迷わず辿り着けるのであろうか。
「もうそろそろ時間だけれど、本当に来るのかしら。車の音も人影もないけれど。あ、今朝掃除したばかりだっていうのに枯れ葉が」
「ここは、――氏のお宅か」
門に背を向け、枯れ葉を取ろうと屈んだ瞬間、後ろから声がした。驚き振り向くと、黒い外套に、灰色の襟巻き、そして黒い帽子を被った男が立っている。隙間から見える瞳にまるで色はない。
「はい、そうです。あの、あなたがリドルさんでしょうか」
「そうだ」
「良かった、無事着けたのですね!それにしも日本語がお上手で……私、滞在中お世話するように旦那様から仰せつかった」
「そんな事はどうでもいい。早く家主のところに案内しろ」
なんて強引な人だろう。こんな方が旦那様のお客様だなんて。私の嫌悪感を察したのか、男は目を細めて、笑いを漏らした。
「僕の世話をすると言ったが、まあせいぜい”不審死”しないよう気をつけろ」
気付いた時に男はもう目の前にはおらず、びゅうびゅうと師走の風が吹き荒れるだけであった。今年はいつもより早く雪が降りそうだ。
「旦那様、失礼致します。先ほど」
ひとまずは報告しなければならないと、旦那様の部屋に踏み入ると、来客用の椅子に先ほどの男が足を組んで座っていた。外套などは脱いでおり、あの時は年齢不詳に思えたが、こうして見ると、確かに若く、それ以上に端正な顔の作りをしていることに驚いた。
「ああ、分かっているよ。ご苦労だったね。トムくん、この子がそちら側の血を引くものだ。力はあるはずなのだが、どう使うかその術は分かっていない」
「ただのマグル、というわけではないと」
「だからこそ君の世話を任せたのだ。そしてできればだが、この子にもそういったことを教えてくれると助かる。私には知はあるが、力はない。なあに、君の邪魔はせんよ。気立てのいい子だ」
話はよく聞こえないが、どうせ私には理解し難い話であろう。しかし、この男いつの間に部屋に来たのだろう。裏口を通って?いやそんな真逆。
「まあいい。女、書斎に案内しろ」
あれこれ思案していると、男が私を見下ろし立っていた。どうやら気配を消すのが異様にうまいらしい。不気味とも言っていい。
しかし、いくら世話役の立場だからといって女と呼ばれるのは気分が悪い。
「あのですね、私にもちゃんとした名前が」
「興味のないことを覚えるほど暇じゃない」
勝手に部屋を出ていこうとする男の背を慌てて追いながら、旦那様に助けを求める視線を送ると、ただ嬉しそうに微笑まれただけで、どうにもこうにもその表情に弱い私は、腹をくくる他ないのであった。
・
・
・ 3日経ち、分かったことがある。男は基本書庫から出てこないということ、意外と礼儀正しい(旦那様に限るが)ということ、そして、私はほとんど必要ないということ、だ。たまに聞くことといえば、私にはよく分からぬ内容の本の在処ばかり。その様子は旦那様がもうひとり増えたようにも感じられた。
「この関連の書物はここにあるだけか」
「ええと、その書物でしたら確かこちらの列の、あ、ありました。あの1番上がそうだと思われます。待ってくださいね、いま梯子を」
本来であれば高いところは大の苦手であり絶対に登らないのだが、世話をしなさいと命じられたのだから、私だってたまには役に立ちたい。今のところ男の評価は零に近いであろう。その一心で梯子を掛け、一歩一歩と登る。床に座り本棚に背を預けて本を夢中で読んでいる男は、私のその様子には気づいていないようだった。大丈夫、下を見なければ怖くないはずだ。上までなんとか登りきり、目当ての本を抜き取って男に声を掛ける。
「こちらの本でよろしいですか」
下を見てはならないのに、達成感が先走り見てしまった。ああ、こんな高いところに自分はいるのか。加えて、その本は予想以上に重く、血の気の引いた私が思わず手を放すには十分すぎるものであった。男の頭部に直撃するのだけは避けなければ…!目をかたく瞑り、頭の中で本の軌道が逸れ床に落ちる図を想像する。と、その後すぐにどさっと重々しい音が書庫の中に響いた。目を開けると、男が訝しそうに私を見上げており、先ほどの本がその横に転がっていた。
「よ、良かったあ、お怪我はありませっ」
又、自分の場所がどこであったかを忘れてしまった。梯子がぐらりと揺れ後ろに傾く。自分の脳の処理では追いつかない。強く握った梯子の角が手に食い込んで痛かった。頭に浮かぶは落ちた時の痛みと恐怖のみ。しかし、後ろに大きく傾いたはずの梯子は、いきなりぐんと何かに引き寄せられるように目の前の本棚の縁に戻った。そこからくっつけられたようにびくとも動かない。私は何もしていないはずだ。する余裕などなかった。
「あ、あれ」
「早く降りてこの一覧を探して来い」
「あ、はい」
まさか、まさかと思うが。私は梯子を飛び降りるように降りて、男の前に立った。
「もしかして、リドルさんも、私と同じ呪われた血を引くものなのですか?!やっと旦那様の仰っていたことが」
「呪われた血だと?蔑まれるべきものはマグルであって、決して我々ではない!お前にも多少力はあるらしいが、崇高な血を引く僕とお前が同じなわけがない。笑わせるな!」
白い手が私の首に掛けられ、眼前には男の瞳があった。憤怒。憎悪。様々な負のものが男の中に渦巻いているのが分かる。その彼の瞳の中にうつる私はやけに冷めていた。
「し、失礼なことを言ってしまったのなら、謝罪致します」
「そうか、では死を持って謝罪しろ」
懐から細工の施された木の棒を取り出して、男は私に向けた。私は、この感覚を知っている。あの時も、父は、私に向けて。
“もう痛いのは嫌だ!”
だって私は何も悪くない。私に危害を加える者はみな罰されれば良いのだ。母も父も、兄も。みな、みな業火に焼かれて死んでしまえ!
暗闇の中で稲光りが走り、なにかの焼ける匂いが充満する。
「やめなさい!」
突き飛ばされ、後ろの本棚に背を強く打った。その衝撃で何冊かの本がばらばらと落ちたが、それが私を傷つけることはなかった。本が勝手に避ける、というとまるで小説の中の出来事のようだ。ぼうっとした意識の中、旦那様の次に瞳に映るは、右手から肩にかけて酷く焼け爛れ苦悶の表情を浮かべる男の姿であった。私はなんてことを”また”してしまったのだろう!
・
・
・「本当に申し訳ございません」
「別にこれくらいの傷は魔法ですぐ癒える」
ベッドの上でしれっと読書を続ける男であったが、右手は時折痙攣を起こしていた。
「やりたくてやった事だろう?」
「そんなわけないじゃないですか」
「口でそう言っていてもお前の力は僕を殺したがっていた。それは違わない」
「……リドルさんは怖くないのですか?自分の力が意図せずに表に出てしまうことが」
「僕は、自分の意思によってのみ力を使う。お前とは違う」
「そうですか」
ちくたくと時を刻む音だけが部屋に響く。特にすることもないが、かといってこのまますぐ去るのもまるで心配していないようで気が引けた。
「しかしこの手では予定していた3日で事は済みそうにないな」
「旦那様は何日延びても大丈夫だと仰ると思いますよ」
すると、男のカバンの中から一冊の本が飛び出し、私の目の前で浮遊した。わけも分からず本と男を交互に見ていると、バンと音を立てて本が私の手の上に落ちてきた。
「い、いった!」
「思った以上にドン臭いな」
「急にこんな事されても分かるわけないじゃないですか!」
「そこに大体の基礎が書かれている。明日までにそれを理解してきたなら教えてもいい」
「何をですか?」
見せつけるように男は右手を上げて私を睨んだ。……なるほど。
・
・
・「う、うーん。駄目だどんなに頑張っても3本までしか火が点きませんね」
「集中力が足りないんじゃないか。今まで真面目に勉強もした事もないだろう?」
「ちょっと気が散るので話しかけないでくれませんか」
彼に本を貸してもらってから1週間が過ぎた。私は魔法使いや魔女のこと、魔力やその扱い方、他にもたくさんのことを彼に教えてもらった。普段は無意識でしか使えなかった力も、少しずつだが自分の意志で使えるようになってきた。
「卒業したっていう学校はみんながリドルさんと同じように魔法を使えるのですか?」
「そのための学校だって言ってるだろう。まあみな僕ほどの力は持っていない」
「じゃあ私はリドルさんより力が強いって、い、いたっ」
分かったことは魔法を使える者の中でも自分は防御系の力が強いということ。彼と私が同い年だということ。下の名前で呼ぶと、とても機嫌が悪くなること。
「これなら明日には戻れそうだ」
「もう帰ってしまうのですか?」
「僕は君と違って忙しい。確かに君の力に興味はあるが、それ以上にすべきことが山ほどあってね」
「こうしてると、外の世界が戦争しているなんて嘘みたいですね」
「マグル同士の戦いに興味はない。くだらない」
「そう一言で片付けてしまえるあなたが少し羨ましいです」
彼は何かを言いかけたが、そのまま押し黙ってしまった。重くなった空気を変えようと、できるだけ明るく話題を振った。
「そうだ、リドルさん、よかったら最後に散歩しませんか。見晴らしのいいところを知っているんです」
「いい」
「そう仰らずに、ほらほら。あ、帽子はかぶってくださいね、人が来ないところですが万が一がありますので」
無理矢理腕を引っ張ると、嫌そうに私を睨み立つことを拒んだが、もうすぐ帰ってしまうのだからという私の懇願に負けたのか、最後はしぶしぶと立ち上がった。ここまで自分勝手な使用人は見たことがないだのとぶつくさ言っていたが、それすらも私の心を喜ばせた。だって、このような人は初めてなのだ、初めてでありきっと我が人生最後である。だからこそ、私は多少の我儘くらいバチは当たらないだろうと踏んだのだった。
「ほら、ここ見晴らしが良いでしょう。町が一望できるんです。桜の華々しい桃色、草花の瑞々しい緑色、木の葉の茶色や橙色、雪が作り上げる銀色の世界。どれも素敵なんですよ」
「今は、そのどれも当てはまらないように見えるが」
「そりゃあ変わり目ですからね、もう12月なのでそろそろ雪の季節です。とても綺麗なんですよ、リドルさんの想像を絶する素晴らしさです」
「そんなにか」
「ええ。私嘘をついたことがないのが自慢なんで」
「そんなものは興味ないな。それよりもお前の出生を」
「リドルさん、人です!ここにいてはまずいです、早く戻りましょう」
とっさに手を掴んで裏道を走り抜ける。と、風がびゅっと二人の間を通りぬけ、リドルさんの帽子をさらって行った。
「あ」
追いかけるが、帽子はそのまま風に煽られ後ろへ飛んでゆく。どうしようと、彼の方へ視線を向けるが、特に気にしていないようだった。濃い黒の髪と青白い陶器のような顔が、太陽の下で露わになりどきりとする。彼はなんて美しいんだろう。その美しさが危うい気がするのはなぜだろう。
「別に良い。それよりいると不味いんだろう」
「は、はい、行きましょうか」
離してしまった手が惜しいと感じてしまう。鼓動がいつもより早いのは走っているからに違いない。ああ、身体が、熱い。
「世話になった」
「いいんだよ、また是非来てくれ。この子も喜ぶ」
ぽんと旦那様が私の肩に手を置いて笑った。私はまともに彼の顔が見れず、うつむき加減になる。帰ってしまう、それがとても悲しいことに感じられた。彼がいない日常が当たり前であったはずなのに。
「ああ、また冬に来る」
その一言が私の心にどれだけ希望をもたらしたか彼はきっと知らないのだ。
・
・
・ 焼けるにおいがする。私はこのにおいを知っている。生きた、肉が、焼けるにおいだ。空が赤い。旦那様はどこに、いるのだろう。
次第に意識が鮮明になり、私はあったことを思い出す。旦那様と珍しく朝から町へ出かけて、そうだ、空襲警報が鳴ったのだ。旦那様と逃げようとして、それで。起き上がろうとしたが、自分の上に何かが乗っている。なにかの木材のようである。邪魔だ、意識を向けると、その木材は飛ぶようにして近くの電柱にぶつかって鈍い音をたてた。頼りない足で立ち上がる。額から出る血のせいで周りがよく見えない。頭がまた朦朧としてきた。必死に目を凝らすと、瓦礫の下にみなれた服を見つけて急いで駆け寄った。無我夢中で、手で、人に嫌われ続けたあの力で、瓦礫を退け続けると、見知った人が目を瞑って横たわっている。何かの破片が鳩尾に刺さっていた。息はかろうじてあったので、人を呼ぼうと立ち上がる。まぶたに何かが落ちる。冷たい、雪だ、雪が降っている、誰か、この人を助けて、血がこんなに出ているのにこの寒さでは、ああ私を救ってくれたこの恩人を死なすわけにはいかないのだ、またひとりになってしまう、それが怖い、だから誰か、誰か。
1週間経っても旦那様は目を覚まさない。頭を強く打ったせいらしい。このまま眠り続ける可能性の方が高いそうだ。そうして死に向かってゆく。旦那様が大事に持っていた西洋づくりの暦帳をぱらぱらとめくる。今日の日付には赤鉛筆で丸が入っていた。
「災難だったな」
「よくこの場所が分かりましたね」
もう後ろから急に声が聞こえても驚かない。男は旦那様に近付くと、一瞬はっとした顔をしたが、すぐに無表情に戻ってしまった。その反応が、今は非常に憎らしく思えた。
「あなたなら、このような傷すぐ治してしまえるんですよね?」
「それは出来ない」
「あの日、あなたがまた来るから、と、旦那様は張り切って新しい食器を買いに行こうと言われました。そこで空襲にあってこのようなことに、いつも通りあの屋敷にいたならば、こんなことには絶対ならなかったんですよ」
男は何も言わない。窓の外では雪がしんしんと降っている。
「マグルがどれだけ愚かか分かっただろう」
「マグル?マグルではなかったらこんなことは絶対起こらないと!?そんなことはないとあなたは知っているでしょう。だったらあなたが興味を持っていた本なんて存在しないはずです!!それに私の父はあなたが持つような杖で私を殺そうとした!!マグルと魔法使いになんの違いがあるんですか!マグルであろうと力を持つものであろうと人間は誰しも心の奥底は自己中心的で醜い。だから争いが起こるんです。ねえお願いです、助けてくださいよ、旦那様はいつも言っておられました、あなたがすごい力の持ち主だと、確かに死ぬ運命のものを生かすのは駄目だと知っています、でも、旦那様がいないと、私は」
この際体裁などして気にしてはいられなかった。縋るように男の腰に抱きつき、私は泣き喚いた。助けて欲しい、その為にならなんでもする。男はしばらく動こうとしなかったが、やがて私が泣きつかれると、腰をかがめ私の肩に手を置いていった。その手は凍てつくように冷たく、そして何の愛情も感じられないものだった。
「憎いだろう、悔しいだろう、こんなことをした奴らに痛い目を見せてやりたいだろう。俺と来れば、それが叶う。お前の力なら、なんでもできるようになる」
男は私の耳元から顔を離し、薄く笑った。私は。
「旦那様のそばにいれれば、それでいい、何も望まない。あなたと行っても待っているのは孤独だ」
「孤独なんて、弱い者が感じるものだ。お前はそうじゃない」
「それは、ほんとうの意味で、あなたが孤独になったことがないからですよ。孤独ってのはね、とても怖いものなんですよ。二度と味わいたくないものなんです。あなたは自分に自信を持っている、たとえそれが間違ったものだとしても、悲しいものだったとしても」
訳が分からないという顔をした男の肩を押して立ち上がり、私は机の上に置いてあった包みを男に渡した。
「大晦日、いえ12月31日が誕生日だそうですね。少し早いですがおめでとうございます」
中身は帽子だった。あの日無くしてしまったあの帽子。旦那様に笑われながら、照れながらも、渡せると会える日を期待していたあの頃が懐かしい、いや三人で過ごした、あの短い日々全てが懐かしかった。
「惜しいな、お前の力は魅力的だというのに」
「力、だけでしょう。私の力は誰のものにもなりません、私だけのものです」
「あの丘から町を見てきたが銀世界というものには程遠かったな」
「町が直ったらそんなこと言わせやしません」
男が笑った気がしたが、まばたきをした次にはもう男はいなかった。白昼夢でも見ていたのか、そんな事はない。机にあった包みはなくなっていたし、なにより花瓶に一輪薔薇が挿してあった。鼻を寄せると、生々しい花の、命の香りがする。
私は彼と違ってこの世界で苦しみながらも生きてきた。本当は生きる場所が違ったなど、いまさら過ぎるだろう。この世界が私の生きる場所なのだ。私は、どんなにこの世界が向いていないとしても、ここで生きて死んでゆく。それが私に出来る罪滅ぼしなのだから。
Even though
I wanted to desire
another future.企画提出:
僕の知らない世界で