「侘助、東大受かったんだ、おめでとう。…というか結局受けたんだね」
「ん、まあな。余裕だったし。俺天才だから」
「そうだね」
「おいおいお前らしくないな。つかお前京大どうな…あーいや悪ぃ。人生失敗もあんだ。それ糧にして生きてくんだよ、人間は」
「侘助からそんな言葉聞くとは思わなかった。あと落ちてないし!!決め付けないでくれる!?」
「ちっ落ちて路頭に迷えば良かったのに」
「さっき言ってたこととなんか真逆なこといってるんだけど!?この天パ!!!!」
「あ?なんっつた?」
「痛っ!いだだだだだ!!マジで痛いです。御免なさい、侘助様!」
「はっ、俺に楯突くなんてひゃく…何か落としたぞ、何だコレ」
「あっ!その紙は開いちゃ駄目ーーーっ!返して返して返して返して!!!!」
「シシシ、ヤなこった、………東大合格者案内…おい俺のとかじゃないよな?」
「何その目付き!れっきと私のですが、なにか?文学部って書いてあるでしょ?あぁぁぁぁっこう冷静な感じでぴらっと差し出して『これがどういう物かお分かりんす?』って妖艶な目付きで侘助を驚かせようと思ったのに!侘助のばかぁ!!」
「落としたお前が悪いだろ。しかもやろうとしてたことがキモすぎる」
「はっ!何とでも言えば?まあこれから私を見下すことなんて出来ないだろうけど」
「俺より頭は確実に悪いじゃねーか」
「うぐぐぐっ痛い所を」
「まあ、」
「?」
「またお前馬鹿やってる姿見れると思うと楽しみだな」
「っ!!」
「ん?どした、顔赤いぞ」
「な、何でもないしっ!近付かないでくれる?じゃあ今日言いたかったことはそんだけだから、バイバイキーン!」
「…何だったんだ?」
恋する乙女は盲目なんです
(わああああん、また言えなかったよ、奈菜ちゃーん!!)
(はぁッ!?今日告白するって言ったじゃないの!)
(だってだって不意討ちで嬉しそうに笑って「またお前が馬鹿やってる姿見れると思うと楽しみだな」だよ!?)
(馬鹿にされてるだけじゃない…)
(まあいいや、大学で頑張るね!)
(はいはい)
最近、脳内が侘助若かりし頃で一杯一杯。きっと大学でも言えないんだろう…痺れを切らした侘助が告っちゃえばいい