※良い子は真似しないでください。あと声のみ15禁です。


「いだだっ!ちょっもうちょっと優しくして……っ!」
「暴れるならやめるよ」
「それは嫌っスけど!力加減とかっ!」
「これ軽く押してるだけだから。ていうか普通ここ痛くないハズなんだけど。あ、足の小指ちょっといい?」
「…え!うぁっ!タンマタンマ、タンマっス!」

涼太は大きく海老反りになった後、ガバッと起き上がり、私と距離をとった。男の癖に情けない。

「今の超痛かったんスけど!」
「あんたまたまともなもん食ってないでしょ?胃腸がよくないね。その他も最悪だけど」

私はそばにあったカルテを引き寄せて、面倒なので床の上で先程の診断書を書いた。前の日付を見ると、なんと4ヶ月も前だ。それくらい涼太は実家に帰ってこない。どおりで季節も変わるはずだ。

「なんか前より詳しくなってるっスね」
「そりゃあ父さんの整体継がなきゃいけないから当たり前じゃん。あ、5000円いただきまーす!」
「幼馴染みから金とるんスか!?」
「ごめん、今金欠だから頼むよ!」
「とかいってこの間も」
「わーさすが現役モデル!ありがとう!かっこいい!」
「いつの間に俺の財布!…あーもういいや」

涼太は諦めたように私のにゃんこさん(抱き枕)を抱き締めて、寝転がった。その仕草でさえやはりだるさを含んでいて、よくやるなあと思う。

「バスケほんっとに好きだね」
「それ以外やりがいあるものがないっスからね。倒したいライバルもいるし」
「それで体壊したら意味ないじゃん」
「まあ確かに。けどその時は**がどうにかしてくれるっスよね?」
「和らげる事はできると思うけど、完全に直す事は無理かも」

真剣に涼太の体の事を考えてしまい、気が滅入る。先程触った彼の体は、かなり限界に近い。

「それでもいいんスよ。やりたいだけやりたい」
「後悔しないくらいに?」

涼太は緩やかに頷き、私に笑顔を向けた。私は胸がきゅうっと苦しくなり、彼の元にずりずりほふく前進をして頭を撫でくり回す。

「無理しすぎんなよ、馬鹿」
「多分」
「多分じゃない!…あーやっぱ週一で涼太んとこにマッサージしに行こうかな」
「え!マジっスか!?」

あまりにも食い付きがよろしいのでまごつきながら、ずっと思っていた事だと告げる。すると「もっと早く言って!」と嘆かれた。

「なんかごめん。じゃあ来週から行ってもいい?」
「喜んで!あ、電車代は出すし、あと別に泊まっていってもいいっスからね?」
「う、うん?」

嬉しそうににゃんこさんに顔を埋める涼太の心情はいささか分かりかねるが、こちらも嬉しいのでまあいいか。

「そうだ!**にもさっきのやってみてもいいっスか?」
「いいけど多分痛がらないと思うよ。結構難しいツボだ…ぎゃっ!」
「色気ねえー」
「いやいやいや!ちょっと何で!無理無理無理!痛いからほんとやめて!」

涼太はいつの間にかにゃんこさんを隅の方に放り投げていて、私の上に覆い被さっていた。至近距離のイケメンは耐性がある私にも辛いものがある。と同時に足の小指がむちゃんこ痛い。

「やばい、なんかそそる」
「そそらなくていい、そそらなくていいから止めて!」
「**も人の事言えないんじゃないっスか?」
「はい、そーですね!すいませんでした!だから勘弁してください!」
「…腹立つ」
「っや!ほんとやめて、そこ無理…!」

ぐり、と押されたのはこれまたやはり先程涼太にやった所で、私も相当疲れているのだと初めて知った。ていうか涼太の様子がなんだかおかしい。かかる息が熱っぽい。もしやこれは本格的にやばいのでは。

「発情すんな!このくそ犬!」

ありったけの力を込めて、父さんから昔教わった秘伝のツボを押してやった。

「〜っう!や、やりやがったっスね!俺を舐めてると、」

痛い目みるっスよ!彼の声が遠くで聞こえる中、思い出す。ここは人を失神させるツボだった。

パニックとジョーク

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