「俺は元々親衛隊なんてうざったい存在は認めてない。本来俺に親衛隊なんて居ない筈だ。」


「親衛隊という名でさえなければいくらでも作れる。例えばファンクラブだとか、名前なんてどうでも良いんだよ。」



互いにすれ違った意見を言い合う度に語気が強まっていく。チビの口調も敬語からタメ語になった。琥珀と喋ってる時はなんていうか、もっと愛のこもった怒り方してるから琥珀の事が好きかどうかは置いとくとして、完全に冬李に敵対心剥き出しだ。



「一つ言い忘れたが、俺は好きな奴が居る。…ただしこの学園外で、だ。」




そう、多分このチビ勘違いしているだろうから言っておくが、俺が好きなのはそのへんに居る男でも女でもねぇ、唯一アイツだけ。





案の定きょとんとした顔をしているから堪えきれず失笑したら、恥ずかしさからか怒りに口を歪ませた。琥珀もそうだけど、感情と表情が直結してる奴は見ていて面白い。


「だから、俺の親衛隊やりたいとか言う奴にも理由説明したら純愛だとか言って感動して、じゃあくっ付けるお手伝いを…!って訳で結局親衛隊というかただの友達みてぇなモンだから、一体噂にどんなでっけぇ尾ひれがついてるか知らねえけど虐めの心配とか要らねぇの。」




これは本当だ。
一体他の所の親衛隊がどうなってるかなんて知らねえし興味もねぇけど、うちはわりと和気藹々としてる方だと思う。
まぁ、友達すら自分の意思で作れねぇなんざやってられっか!とキレた事も関係してないとも言い切れないが、話がややこしくなりそうだからそこは敢えて黙っておこう。

[ 58/59 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -