危機感

「んー…。いや、出ようかなーとか思ってる」

「…はぁ!?じゃあ何のために東雲先輩と組んだのさ」


「成り行き上としか言いようが…」


確かに俺が出席するも欠席するも選べるように計らってくれたのは東雲先輩だ。それには感謝してる。だけどこの学校に編入してきたからには一通り行事を体験しとかないと後々面倒になるんじゃないかと思うんだよね。どうせ来年にも同じ行事があって同じ事しなくちゃならないでしょ?ほら、俺ってめんどくさがりだし面倒事はなるべく避けたい主義なんだよね。
…見事に巻き込まれてるだとか突っ込まれそうなのはともかく。




「かいつまんで話をすると、来年も同じ行事があるでしょ?どうせ出ないといけないなら今年出て内容知っとこうかなー的な感じでして。」


「琥珀は本当に…」


危機感がない、とため息混じりにたしなめられた。なんか普通に怒鳴られるよりもぐっさりと心を抉られた気がする。
危機感っていったって屈強なムキムキマッチョな外人に取り囲まれて挙げ句武器まで持ち出されて拉致監禁される訳じゃないっしょ?
未遂に終わったけど、海外にホームステイに行ってた時にリアルそんな感じを体験してる俺からすれば日本のそれもひょろっひょろの高校生に何人で囲まれようと命の危機は感じないし、むしろ返り討ちにだってする自信はある。―正体がバレるから諸刃の剣だし、これは本当に最終奥義として取っておくつもり。

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