コルク

部屋に戻る前にエントランス部分に設置されている掲示板に目を通す。ここにはお知らせだとか、連絡事項についてたまに掲示される事があるから、なるべく細かく見るようにとの事だ。




要約すると、入学から1週間経ったし、そろそろ学園生活にも慣れてきた頃だろうから生徒会主催で交流パーティーのような物が開かれる、という旨のプリントがでかでかと貼り出されていた。
毎年恒例の行事のようで、フルカラーのプリントには去年や一昨年の写真が載せられていた。
とても学校内で行われる行事とは思えないようなきらびやかさが写真からでもよく伝わってくる。ドレスを着ている生徒が結構見受けられるのは俺の目の錯覚だと思いたい。



来て早々行事だとか言われても然して興味も湧かず、ふーんと呟いてエレベーターへ向かう。
相変わらずエレベーターの到着は早くて、これだけ多くの生徒を抱えてるにも関わらず遅刻数もそんなにない筈だと納得する。驚くべきは早さだけでなく数もまた多い。
そんな事に変に感心しながらケータイの電源をオンにする。学校にいる間は切っていなければならないという規則はないのだけれど、切っていないと授業中だろうがお構いなしに5分おきに掛けてくるストーカー(実兄)が居るのでそうせざるを得ない訳だ。
毎度毎度電源を入れる度に着信履歴が兄貴からの不在着信で全て埋まるのは最早ホラーとしか言いようがない。
雑誌ではクールに気取っている彼が、実はストーカーが如くしつこい奴だったと知ったら世間の女性達はどう思うんだろうか。
なんてため息一つ吐いて発信ボタンを押した。

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