漆黒

ミッキーと言い争いをしてからというもの、不機嫌さを隠すことなく撒き散らしている梼は心なしか黒いオーラを身に纏っているように思える。



「なぁ、不機嫌なとこ悪いけど、そのなんとか様って何なの?」


「ここってさ、閉鎖されたエスカレーター式の男子校でしょ?だから同姓愛者の割合が物凄く多いの。…で、その中でも見た目がいい人なんかは親衛隊があって、今みたいな意味わかんない通り名で呼ばれたりする訳。」



最初こそ言いづらそうにしていたものの、理科室に着くまでの5分間、梼は機関銃のようにこの学校の異常さや愚痴や鬱憤を喋りまくってた。
タチやネコの説明、生徒会の話、通り名は全て天使の名前から付けられていて、変に神聖な人扱いをされている事。
よく噛まないなぁとは思ったけど、ここでまた横槍なんか入れようものならまた小突かれるだろうから黙っておこう。



「つまり、俺はネコ(梼)の隣にいるネコ(どう見積もってもタチじゃない)だから許される…って事であって、タチの側に着くと制裁を受ける…って認識でオーケー?」



「そうそう。うちのクラスはみんな良い奴ばっかりだけど、他のクラスも全てそうとはいかないからね。」



梼は小さくため息をつきながら丸椅子に腰掛ける。
タチネコの判断基準はよくわからないけれど、おおよそタチと分類されるのはかっこいいタイプの美形で、ネコは可愛いタイプの美形って事だよな。
とりあえず美形と関わらずに生きていけるならばそれが一番だし、俺だってあと3年間ある学生生活を制裁という名の地獄と化したくはない。

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