月白
ミッキーにこの学園の特色やなんやらかんやら聞いていたらカップから立ち上る月白色の湯気も大分弱くなってきた。
ここはゲイバイが半数以上を占める学園で、顔の良い生徒にはファンクラブのような親衛隊という組織がある事。また、不可侵条約を破れば親衛隊から制裁を加えられる事。
何というか、ミッキーの口から紡がれる単語単語が普段常用するような物じゃないからか、それともこの学園が異常だからか、言ってることの意味を飲み込むのに時間を要した。
だってアイドルでもないのに親衛隊だとかないでしょ。
…あぁ、そういえばある種のアイドルみたいなもんとか言ってたっけ。
「とまぁこんな感じやな。百面相してるとこ悪いけど、気ぃつけや」
「お前と隣の部屋になった事を今物凄く後悔したわ」
ミッキーは心底驚いたように目を丸くしたが、すぐに意味ありげな深い笑みへと変えた。
これだからイケメンは…とか思っても言いません。だって平凡が言ったところでただのやっかみにしか聞こえないでしょ?
おいとまするわ、と部屋を出ていく彼を玄関まで見送る。
今日一日がやたら長く感じたのは相対性理論でいう"ストーブの上に手を置いてる1分と、好きな子と一緒に過ごす1分じゃ違う"ってやつ?残念ながらストーブの方だけど。
そんな下らないことを考えながら本日2度目の睡眠を取るべくベッドへ飛び込んだ。
ふかふかの場所へ倒れ混んだらの●太ばりにすぐに眠気がくるのは、ある一種の俺の特技かもしれない。
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